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書評コーナー

薬のチェックは命のチェックで取り上げた書籍を紹介しています。

季刊誌20号より

気の発見

五木寛之著、対話者:望月勇(気功家)/平凡社

気の発見

対話形式なので、口語体で読みやすい。「信じがたいことが当然のこととして語られている」点がかえってさわやかな読後感を与える。「気の力」とは何か? 本書では、最初に「気の存在」として気について説明をし、次に「気の力」として実際に気によって生じる現象を説明する。「気と想念」では世界のいろいろな実例をあげ、この世での気の力をなるほどと信じてしまう。続いて「気」と「治療・思想・呼吸・ヨガ・いのち・声」との深いかかわりに対話がすすむ。

対話者の望月勇氏は気功家としてイギリスに住み、さまざまな人の苦しみを取り除いている。気功家という言葉も目新しいが、望月氏の仕事は「苦しむ人に気を送り、送った気によって苦しみを取り除く」ことであり、気の治療を受けるために国内外から(医療に見放された人々が)望月氏の元を訪れている。「病は根性でなおせ」とも読めるこの著書は「西洋医学信仰」の現代にユニークなメッセージを与えてくれる一冊である。(す)


■225ページ、20cm/¥1,200 (税別)

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