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輸血血液中のリンパ球が生き残り、患者の体を攻撃することで起きる副作用を移植後GVHD(移植片対宿主病)という。輸血血液がこの場合移植片、宿主は輸血を受けた患者を指す。輸血がまさしく移植行為であることを示している。 別人のリンパ球は大抵は異物として排除される。しかし、患者のリンパ球と似た白血球型の血液が輸血された場合や、免疫が弱まっている場合、リンパ球は排除されずに生き残り、患者の体のあちこちを攻撃するのである。最近問題になっているリンパ球の輸血だけでなく、赤血球濃厚液や全血液、血小板輸血など通常の輸血でもリンパ球が含まれているのでGVHDは起こる。 輸血1〜2週間後に、熱が出て、皮膚は真っ赤になり、肝障害を起こし、下痢や血便が出る。術後紅皮症の名で呼ばれていたものとおなじだが、皮膚よりもむしろ骨髄の血液を作る細胞(幹細胞)が攻撃されることが危ない。赤血球、白血球、血小板の3系統の血球すべてがなくなり、敗血症を起こし、死亡率は90%以上となる。 血縁者の血液は、白血球の型が似通っているのでかえって輸血後GVHDを起こしやすい。民族的混合の少ない日本人は他人でも白血球型の似た人が多いので、そのままだと輸血600件に1件位の割合で輸血後GVHDが起きる。 防止策は輸血前に血液に放射線を当ててリンパ球を殺す。照射は日赤血液センター等で行っている。 日経新聞98年11月2日付改編 |
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