(2006.03.10号)

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No63

タミフルと突然死、異常行動死の因果関係で意見書提出

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)  浜  六郎

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)は、3月1日、厚生労働省日本小児科学会長中外製薬社長に対して、「タミフルと突然死、異常行動死との因果関係は濃厚であり、被害拡大防止のため適切な措置が必要である」との趣旨の意見書を別紙「因果関係の考察」とともに提出した。

意見書および別紙考察の要約

タミフル使用後の「睡眠中突然死」や「異常行動死」は、以下の根拠から、タミフルの中枢抑制作用による副作用(害反応)である可能性が高いと考える。因果関係は「否定し得ない」どころか、積極的に「関連の可能性が高い」と考えられ、「否定的」などというものでは決してない。被害が拡大しないよう適切な措置が必要と考える。

根拠:
  1. タミフルは乳児以外でも脳中に移行する——低体温現象がよい証拠。
  2. 低体温とせん妄、呼吸抑制、チアノーゼ、突然死などが一連の症状であることを示すヒトでの実例が少なくない。
  3. 動物実験でも体温低下や行動緩徐、呼吸抑制、チアノーゼの後、呼吸停止し死亡し、ヒトの死亡例ときわめてよく似ている。
  4. タミフル服用後死亡例の大部分は、睡眠中突然死、呼吸異常後突然死、突然の心肺停止である。中枢抑制剤(バルビタール)による呼吸抑制は死ぬ間際まで起きない。実際、低酸素性痙攣を生じながらも、かろうじて死を免れと推測される人の例は少なくない。
  5. 「熱せん妄」は、高熱時(ほぼ39℃以上)に生じるが、タミフル服用後のせん妄は大部分(80%)が解熱時や解熱の始まる回復期に生じている。
  6. 死亡する感染後脳症(ライ症候群やインフルエンザ脳症)は、その原因の多くはきつい解熱剤(非ステロイド抗炎症剤:NSAIDs)。その使用規制直後(小児用タミフル使用開始前)に脳症例の死亡割合は激減。きつい解熱剤が感染後の死亡率を顕著に高めることは多数の動物実験で証明済みである。
  7. 併用薬剤、基礎疾患が全くなくても、タミフルだけでせん妄生じている。
  8. 重症例も少なくなく、症状が3か月以上続く人もおり、十分な注意が必要。

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