2014年1月20日に開催された厚生労働省(厚労省)の合同会議(注)は、HPVワクチン(いわゆる「子宮頸がんワクチン」)の接種後に発生している広範な疼痛や運動障害はワクチンの成分を原因とする自己免疫疾患や神経系の疾患ではなく、心身の反応であるとほぼ結論しました。次回(2月予定)には報告書案を取りまとめて、「再開」を強く打ち出す可能性が迫ってきています。
全く新しいワクチンによる新しい害の出現を、いとも簡単に「心身反応」として葬り去ろうとすることは、将来にわたって禍根を残します。これまでの当センターの分析結果を元にして、緊急にまとめ、近日中に提言を行う予定です。
その前に、薬のチェックは命のチェックNo53のHPVワクチン関連記事を公開します。
浜六郎、ワクチンに添加されている物質「アジュバント
の正体とHPVワクチンを徹底解剖する,
薬のチェックは命のチェック、2013;No53:47-67.
ワクチンの効果を高める目的で添加されている補助剤がアジュバントです。しかし、よいことだけではありません。アジュバントとはいったいどのようなもので、ワクチンの中でどのような役割をし、害はどうなのか、一緒に考えてみましょう。
サーバリックスには細菌毒素(リピッドA)の誘導体(MPL)、ガーダシルにはDNAの断片がアルミニウム・ナノ粒子に結合し、強い自然免疫を誘発します。アジュバントは、薬剤としての効果を期待すればするほど、害が不可避だということを解説します。
短期間で大量のワクチンを注射された兵士に生じた湾岸戦争症候群(GWS)、いまや全身病と認識されるようになっているマクロファージ筋膜炎(MMF)、豊胸術で用いたシリコン樹脂による害、いろんな自己免疫疾患など、とアジュバントとの関係は、以前から指摘されています。最近、これらをまとめてアジュバント誘発性自己免疫/自己炎症症候群(ASIA)との概念が提唱されてきています。ここでは、この「アジュバント病」ともいえる病気について解説します。
HPVワクチン接種後に生じる体内を移動するように感じられる痛みや、MRIやCTでも異常が認められない症状は原因不明とされています。その症状について当センターで詳しく検討した結果、微小な血栓ができたり溶けたりを繰り返しているのではないか、そして、これは、自己免疫疾患の一つである「抗リン脂質抗体症候群」(APS)として生じているのではないか、との考えに至りました。この病気と、HPVワクチンとの関係について解説します。
注:平成25年度第7回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会と平成25年度第8回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議