厚生労働省医薬食品局審査管理課殿

「承認後の安全性情報の取り扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準(案)」に関する意見・情報の募集について

氏名 :浜  六郎(医師)
   会社名/部署名:
   医薬ビジランス研究所/所長
   日本臨床薬理学会/研修指導医    大阪薬科大学/招聘教授(薬剤疫学)
   大阪大学医学部/非常勤講師
   京都大学大学院医学研究科/非常勤講師
   日本内科学会/認定内科医
   日本薬剤疫学会/評議員
   医薬品・治療研究会/副代表
   (TIP「正しい治療と薬の情報」)/(副編集長)
   特定非営利活動法人 医薬ビジランスセンター(NPOJIP)/理事長
住所  :〒543-0062 大阪市天王寺区逢阪2−3−1, 502
電話番号:06-6771-6314 FAX 06-6771-6347

意見・情報:

長年にわたり、医療現場で医薬品の有効かつ安全な使用とそのための調査研究に取り組み、現在そのための調査研究に専念しているものとして、「承認後の安全性情報の取り扱い:緊急報告のための用語の定義と報告の基準(案)」(以下「基準案」と略)に対して、意見を述べる(なお、左端の数字は原文の行を示す)。

  1. 「安全性情報」は「危険情報」または「有害情報」とすべき

    ここで収集しようとしている情報は、医薬品の安全性にかかわる有害事象および、有害反応、すなわち、医薬品の危険性、あるいはその可能性を示す情報である。

    したがって、「安全性情報」というタイトルそのものが適切性に欠ける。

    以下の用語にすべきと考える。

    1. 承認後の危険情報の取り扱い:
    2. 承認後の有害情報の取り扱い:
    3. 承認後の安全性にかかわる有害情報の取り扱い: この中で、1)がもっとも適切と考えるが、2)3)も可である。 ただし、英文は"Safety Reporting Requirement"であるので、
    4. 承認後の安全性にかかわる情報の取り扱い:
      でも可とするが、「承認後の安全性情報の取り扱い」のままでは不可である。
  2. Adverse reactionの訳語「副作用」は「害反応」または「有害反応」とすべき

    87〜94行目adverse reactionの訳語としての「副作用」は「害反応」「有害反応」とすべきである。

    "adverse" は「目的に反する」の意味がある。日本語では、順に対する「逆」に相当し、実際に使用されている用語としても、「順行−逆行」「順手−逆手」「効果−逆効果」などと使用されている。したがって、順反応に対して、「逆反応」をあてることも可能であるが、やや不自然なニュアンスがある。

    "adverse reaction"は、人にとって不都合な反応、有害な反応を意味している。"adverse event"の訳語として、「有害事象」が用いられている。

    一方、副作用の「作用」という用語は薬剤が保有する性質に関する用語であって、adverse reactionの"reaction"は、薬剤が用いられた客体(人)に生じた反応である。その意味で、「作用」をreactionの訳語として用いると、しばしば、英文の真意を表すことができない場面が出てくる。たとえば、「----の反応を「副作用」とする」というような文章がしばしば登場することになる。現に、88行目でも、「あらゆる反応は副作用とみなされる」とされており、「反応」と「作用」の概念が混同されている。

    adverse event には、「有害事象」を当てているのであるから、adverse reactionには次の訳語をあてるべきである。

    Adverse reaction:害反応 もしくは 有害反応

  3. 103〜104行「その事象の発現時点において」
    「その事象が発現している時に」とすべき

    基準案では、103〜104にかけて、
    (注:ここでいう「生命を脅かす」とは、その事象の発現時点において患者が死の危険にさらされている場合をいい」としている。
    このうち、「その事象の発現時点において」に相当する英文は、
    "at the time of the event"である。

    つまり、イベントが生じている「」もしくは「期間」であり、時間的に幅を持っている。単に、イベントが発生し始めた時点という短時間を意味していない

    上記「その事象の発現時点において」は、「事象が発現し始めた時点」という初期の時点に限定されてしまうおそれのある訳語である

    実際、スティーブンス・ジョンソン症候群やTEN(中毒性表皮壊死融解症)のように、発見時点ではまだ軽症であっても、中止後に重篤化して致死的となることはしばしばである。

    したがって、誤解を避けるために、下記のように改訂することを提案する。

    1. (注:ここでいう「生命を脅かす」とは、その事象の発現時点においてその事象が発現している時に患者が死の危険に
    2. さらされている場合をいい、仮にもっと重度であれば死を招いたかも知れないという意味
    3. ではない。)
  4. 119〜127行目「予測できない副作用」の項目では、
    予期せぬ有害事象および害反応」を解説すべきである

    基準案では、"unexpected" adverse reactionに関して、以下のように記載されている。

    1. 2.3.予測できない副作用
    2. 副作用のうち、その性質、重症度、特異性、または転帰が公式な添付文書の記載に一致
    3. しないものは、予測できない副作用とみなすべきである。

    英文では、

    "unexpected" adverse reaction is one, the nature or severity of which is not consistent with information in the relevant source document(s).

    上記の「予測できない副作用」に相当する英語は "unexpected" adverse reactionである。

    "unexpected"は「予期しない」、「思いがけない」、「意外な」、「予期せぬ」であって、予測できたか否かは問わず、要するに「予期(予測)しなかった」という意味である。

    そこで、"unexpected" adverse reactionの訳語として、「予期せぬ害反応」もしくは「予期せぬ有害反応」とすることを提案する。

    また、予期しない有害事象の多くは用いた薬剤(試験物質)との因果関係がこれまでには確立していな事象(反応)であるから、因果関係が否定的にとらえられやすい。緊急報告の対象の項でも詳述するが、緊急報告を求める目的は「未知の予期せぬ害」を避けるためである。したがって、「予期せぬ有害事象」こそ、緊急報告の対象として最も重要なものである。

    その関係から、本項でも、「予期せぬ有害事象と害反応」について解説すべきであると考える。

    したがって、この項目は以下のように修正すべきである。

    1. 2.3.予測できない副作用
    2. 副作用有害事象および害反応のうち、その性質、重症度、特異性、または転帰が公式な添付文書の記載に一致
    3. しないものは、予測できない副作用それぞれ、予期せぬ有害事象もしくは害反応とみなすべきである。
    4. 公式な製品添付文書において致命的な転帰が明記されていない限り、その致命的な転帰
    5. を伴う副作用は予測できない副作用有害事象もしくは害反応は、それぞれ予期せぬ有害事象もしくは害反応と判断すべきである。特別な事情がない限り、一旦致
    6. 命的な転帰自体が添付文書」に明記されれば、致命的な転帰の報告は他の重篤な既知の
    7. 作用害反応の場合と同様に、然るべき規制要件に従って取り扱われるべきである。

    したがって、改訂したこの項目は以下のようになる。

    1. 2.3.予期せぬ有害事象と害反応
    2. 有害事象および害反応のうち、その性質、重症度、特異性、または転帰が公式な添付文書の記載に一致
    3. しないものは、それぞれ、予期せぬ有害事象もしくは害反応とみなすべきである。
    4. 公式な製品添付文書において致命的な転帰が明記されていない限り、その致命的な転帰
    5. を伴う有害事象もしくは害反応は、それぞれ予期せぬ有害事象もしくは害反応と判断すべきである。特別な事情がない限り、一旦致
    6. 命的な転帰自体が添付文書」に明記されれば、致命的な転帰の報告は他の重篤な既知の
    7. 害反応の場合と同様に、然るべき規制要件に従って取り扱われるべきである。
  5. その他の留意事項(131〜145行目)について

    基準案ではその他の留意事項として、以下のように記載されている。

    1. その他の留意事項:
    2. 「同種同効薬一般の副作用」として添付文書に記載されているからといって、対象となる
    3. 医薬品について、白動的に当該副作用が予測できるものとなると考えるべきではない。同
    4. 種同効薬一般の副作用」としての記載は、下記の例に示すように、公式な製品添付文書に、
    5. 当該医薬品によって生じることが具体的に記載されている場合にのみ、予測できると考え
    6. るべきである:
    7. ・「この系統の他の医薬品と同じく、医薬品Xでは以下の望ましくない作用が生じる
    8. ・「医薬品Xを含むこの系統の医薬品は、・・・・を引き起こす」
    9. その副作用が医薬品Xについて記載されていない場合、下記のような記載が添付文書に見
    10. られることが多い:
    11. ・「この系統の他の医薬品では・・・・・・引き起こすことが報告されており」
    12. ・「この系統の医薬品では・・・・・・を引き起こすことが報告されているが、医薬品Xに
    13. ついてはこれまで報告されていない。」
    14. このような状況では、その副作用は医薬品Xについて予測できると判断すべきではない。
    15. ・十分な記載がなく、確信が持てない場合には、副作用は予測できないものとみなすべき
    16. である

    上記のように『「同種同効薬一般の副作用」として添付文書に記載されているからといって、対象となる医薬品について、白動的に当該副作用が予測できるものとなると考えるべきではない。』 とし、また、「この系統の他の医薬品では・・・・・・引き起こすことが報告されており」と記述があっても、「その副作用は医薬品Xについて予測できると判断すべきではない。」と記述されると、極めて誤解されやすい。なぜならば、「医薬品Xと同系統の医薬品で・・・・・を引き起こすことが報告されていて、医薬品Xで同様の事象が経験されても、有害反応と判断しなくてもよい」ということを暗示しているように誤解されるおそれが強いからである。

    上記「予測性」は、あくまでも、249〜257行目にある「報告すべき」症例の範囲に属することを判断するための記述であることが明瞭に示されなければならない。

    以下のように修正することを提案する。

    1. その他の留意事項:
    2. 緊急報告の対象とすべき有害事象として、以下のことに留意すること: 「同種同効薬一般の副作用」として添付文書に記載されているからといって、対象となる
    3. 医薬品について、白動的に当該副作用予測できる予期したものとなると考え、報告対象外の有害事象と考えるべきではない。同
    4. 種同効薬一般の副作用」としての記載は、下記の例に示すように、公式な製品添付文書に、
    5. 当該医薬品によって生じることが具体的に記載されている場合にのみ、予測できる予期したと考え
    6. るべきである:
    7. ・「この系統の他の医薬品と同じく、医薬品Xでは以下の望ましくない作用が生じる
    8. ・「医薬品Xを含むこの系統の医薬品は、・・・・を引き起こす」
    9. その副作用が医薬品Xについて記載されていない場合、下記のような記載が添付文書に見
    10. られることが多い:
    11. ・「この系統の他の医薬品では・・・・・・引き起こすことが報告されており」
    12. ・「この系統の医薬品では・・・・・・ を引き起こすことが報告されているが、医薬品Xに
    13. ついてはこれまで報告されていない。」
    14. このような状況では、その副作用は医薬品Xについて予測できると判断すべきではない、その副作用に相当する有害事象が生じた場合は、「予期せぬ有害事象」として緊急報告の対象とすべきである。
    15. ・十分な記載がなく、確信が持てない場合には、副作用有害事象予測できない予期せぬものとみなし、緊急報告の対象とすべき
    16. である(3.緊急報告の対象 3.1.報告対象参照)。

    したがって、改訂したこの項目は以下のようになる。

    1. その他の留意事項:
    2. 緊急報告の対象とすべき有害事象として、以下のことに留意すること:
      「同種同効薬一般の副作用」として添付文書に記載されているからといって、対象となる
    3. 医薬品について、白動的に当該害反応を予期したものと考え、報告対象外の有害事象と考えるべきでない。同
    4. 種同効薬一般の副作用」としての記載は、下記の例に示すように、公式な製品添付文書に、
    5. 当該医薬品によって生じることが具体的に記載されている場合にのみ、予期したと考え
    6. るべきである:
    7. ・「この系統の他の医薬品と同じく、医薬品Xでは以下の望ましくない作用が生じる
    8. ・「医薬品Xを含むこの系統の医薬品は、・・・・を引き起こす」
    9. その副作用が医薬品Xについて記載されていない場合、下記のような記載が添付文書に見
    10. られることが多い:
    11. ・「この系統の他の医薬品では・・・・・・引き起こすことが報告されており」
    12. ・「この系統の医薬品では・・・・・・ を引き起こすことが報告されているが、医薬品Xに
    13. ついてはこれまで報告されていない。」
    14. このような状況では、医薬品Xについて、その副作用に相当する有害事象が生じた場合は、「予期せぬ有害事象」として緊急報告の対象とすべきである
    15. ・十分な記載がなく、確信が持てない場合には、有害事象予期せぬものとみなし、緊急報告の対象とすべき
    16. である(3.緊急報告の対象 3.1.報告対象参照)
  6. 緊急報告の対象は「重篤な有害事象」すべてとし、「副作用(害反応)」に限定すべきではない

    基準案では、緊急報告のための基準として、以下のように記載されている。

    1. 3.緊急報告のための基準
    2. 3.1報告対象
    3. 3.1.1.重篤な副作用の症例報告
    4. すべての情報源からの重篤かつ予測できない副作用症例は、緊急報告の対象となる。重
    5. 篤かつ予測できる副作用の緊急報告は地域または国によって異なる。重篤でない副作用は、
    6. 予測性の有無を問わず、通常は緊急報告の対象とはならない。臨床試験やその他の依頼に
    7. 基づく非自発的な報告の場合は、報告者である専門家またはMAHにより、当該医薬品
    8. との困果関係の可能性があると評価された症例はすべて副作用とみなされる。自発報告の
    9. 場合は、何らかの因果関係を示唆しているものとみなされる。

    一方、有害反応は、ある医薬品を使用後生じた有害なこととしての「有害事象」の中で、医薬品との関連しかし、が否定できるものとは、一体どのようなものであるのか。このことについての説明は一切なされていない。

    そもそも、緊急報告すべきは、医薬品の未知の危険性を発見するためである。未知であるということは、どのような性質の有害なことが報告されるか不明ということである。

    一方、有害反応は、ある医薬品を使用後生じた有害なこととしての「有害事象」の中で、医薬品との関連の可能性があるものと考えられている。つまり、定義を裏返せば、「有害事象」の中で、医薬品との関連の可能性が否定されたもの以外は、害反応ということになる。しかし、有害事象のうちで、医薬品との関連が否定できるものとは一体どのようなものであるのか。このことについての説明は一切なされていない。

    現実には、イレッサの臨床試験において、その薬理学的、毒性学的作用から十分有害反応とすべき例の多数が、イレッサとの関連が否定されて「副作用=害反応」例とならなかった 1,2)。

    市販後の有害事象、害反応(副作用)の収集においても、これを区別することは極めて危険なことである。害反応(副作用)のみを報告の対象とすると、たとえ有害事象としての認識はあっても、医薬品との関連が容易に否定され、報告されなくなる危険性が高い。

    したがって、未知の重篤な危険性を早期に発見するという、重要な目的を達成するためには、重篤な有害事象はすべて収集しなければならない。

    したがって、該当する文章は、以下のように修正することを提案する。

    1. 3.緊急報告のための基準
    2. 3.1報告対象
    3. 3.1.1.重篤な副作用有害事象および害反応の症例報告
    4. すべての情報源からの重篤かつ予測できない副作用予期せぬ有害事象および害反応症例は、緊急報告の対象となる。重
    5. 篤かつ<予測できる副作用予期しうる害反応の緊急報告は地域または国によって異なる。重篤でない副作用有害事象や害反応は、
    6. 予測性の有無予期したか否かを問わず、通常は緊急報告の対象とはならない。臨床試験やその他の依頼に
    7. 基づく非自発的な報告の場合は、報告者である専門家またはMAHにより、当該医薬品
    8. との困果関係の可能性があると評価された症例はすべて副作用害反応とみなされる。自発報告の
    9. 場合は、何らかの因果関係を示唆しているものとみなされる。

    したがって、改訂したこの項目は以下のようになる。

    1. 3.緊急報告のための基準
    2. 3.1報告対象
    3. 3.1.1.重篤な有害事象および害反応の症例報告
    4. すべての情報源からの重篤かつ予期せぬ有害事象および害反応症例は、緊急報告の対象となる。重
    5. 篤かつ予期しうる害反応の緊急報告は地域または国によって異なる。重篤でない有害事象や害反応は、
    6. 予期したか否かを問わず、通常は緊急報告の対象とはならない。臨床試験やその他の依頼に
    7. 基づく非自発的な報告の場合は、報告者である専門家またはMAHにより、当該医薬品
    8. との困果関係の可能性があると評価された症例はすべて害反応とみなされる。自発報告の
    9. 場合は、何らかの因果関係を示唆しているものとみなされる。
  7. 3.1.2.2.過量投与(273行目)について

    基準案では、過量投与例の報告について、以下のように記載されている。

    1. 3.1.2.2.過量投与
    2. 有害な転帰を伴わない過量投与の報告は副作用として報告すべきでない。症状、治療、
    3. および転帰に関し可能な限り完全な情報を収集するために、過量投与については定期的に
    4. 追加{情報を収集する必要がある。MAHは、その医薬品について過量投与に関するいかなる
    5. 情報も収集すべきで、重篤な副作用につながる症例は、緊急報告の基準に従って報告する
    6. 必要がある。

    最も重要な点は、「重篤な副作用につながる症例は、過量投与であっても緊急報告の基準に従って報告する必要がある。」ということであって、「有害な転帰を伴わない過量投与の報告は副作用として報告すべきでない。」は但し書きで後に記述すべきである。

    したがって、以下のように修正することを提案する。

    1. 3.1.2.2.過量投与
    2. 有害な転帰を伴わない過量投与の報告は副作用として報告すべきでない。症状、治療、
    3. および転帰に関し可能な限り完全な情報を収集するために、過量投与については定期的に
    4. 追加{情報を収集する必要がある。MAHは、その医薬品について過量投与に関するいかなる
    5. 情報も収集すべきで、重篤な副作用害反応につながる症例は、緊急報告の基準に従って報告する
    6. 必要がある。ただし、有害な転帰を伴わない過量投与の報告は有害反応として報告する必要はない。

    したがって、改訂したこの項目は以下のようになる。

    1. 3.1.2.2.過量投与
    2. 症状、治療、
    3. および転帰に関し可能な限り完全な情報を収集するために、過量投与については定期的に
    4. 追加{情報を収集する必要がある。MAHは、その医薬品について過量投与に関するいかなる
    5. 情報も収集すべきで、重篤な害反応につながる症例は、緊急報告の基準に従って報告する
    6. 必要がある。ただし、有害な転帰を伴わない過量投与の報告は有害反応として報告する必要はない。

    ただし、ここでいう「有害な転帰」は厳密に定義されていないので、定義すべきである。

  8. 医学的裏付けは、一般使用者(患者、市民)からの直接報告を受けた後でよい(177行目〜)

    基準案では、一般使用者からの直接報告に関して、以下のように記載されている。

    1. 一般使用者からの報告も、「医学的裏づけ」の有無とは関係なく、自発報告として取扱
    2. わねばならない。ただし、一部の規制当局では事後の「医学的裏づけ」を報告の際に
    3. 求めている。

    前半部分、すなわち、一般使用者からの報告も、「医学的裏づけ」の有無とは関係なく、自発報告として取扱わねばならないことは当然である。

    後半で、事後の「医学的裏づけ」を報告の際に求めている一部の規制当局が日本を含んでいるのであれば、それは不適切であり改める必要がある。

    「ただし、一部の規制当局では事後の「医学的裏づけ」を報告の際に求めている。」の部分は削除すべきである。

    また、事後の「医学的裏づけ」を報告の際に求めている一部の規制当局が日本を含んでいるのであれば、「医学的裏づけ」は報告を受けた後に行うべきである。

    また、「医学的裏づけ」は、当該医療機関の判断ではなく、客観的な事実に基づき、公正に判断されなければならない。「医学的裏づけ」を当該医療機関の判断に依存することにより、しばしば重大な「害反応」(adverse drug reaction)を見逃す危険性があるからである。

  9. MAH(医薬品市販承認取得者)は副作用情報に関して一般的な医学情報検索ツールの定期的検索が必要である(200)

    基準案では、

    1. MAHは副作用情報に関して、社外のウェブサイトを検索することは要求されない。

    とされている(MAH:医薬品市販承認取得者)。

    しかしながら、Medline等の一般的な医学情報検索ツールで検索可能な医学論文として報告される情報に関しては、MAHが自主的に、定期的検索をし、入手することはMAHの基本的な義務と考える。

  10. 111〜112行について

    111〜112 結果に至らないように→結果に至らないために

    なお、上記以外の部分にも、上記の主旨で修正すべき項目があるが割愛する。
    それらの部分についても修正すべきはもちろんである。

    参考文献(資料)

    1. 浜六郎、イレッサによる死亡は1000人超にも、『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報No15(2003.05.05)
    2. その他イレッサ情報No1〜No14参照