(2003.01.12)

【ゴールデンピル賞】選考基準

1. 放置すれば短時間で死亡する病気に使用し救命することが明らかに判明している。
   または、著明な苦痛やその悪化を軽減する

もしくは、

2. 以下の4項目をそれぞれ採点(合計8点満点)

a)真のエンドポイント(死亡や著明な苦痛軽減)で有効性と安全性の明瞭な証拠がある。
b) 外国でのエビデンスだけでなく、日本においてもエビデンスがある)
c) 現実の医療で有用かつ、適応患者数が多数の分野で治療上の大変革を遂げた。
d) 市販後の広範囲な使用、長期臨床試験により安全性が確認済

3.益/危険比に比較して安価である(絶対的、また代替薬剤との相対的価格で)

4.上記1.または2.を満足する薬剤で、ある分野の薬剤中、それまでにない性質の薬剤として、break through した薬剤かどうか

例: β遮断剤はプロプラノロール
ACE 阻害剤はカプトプリル
H2 ブロッカーはシメチジンなど(ガスターはジキル・ハイド賞にノミネート)
ただし、L−DOPAは、カルビドパとの合剤はゴールデンピル賞にノミネート

5.本来の使用に比較して使用頻度が低く、もっと多く使用されるべきと考えられる薬剤を優先的に選ぶ(価値に比較して使用頻度が少なすぎると考えられ、同目的の薬剤中の使用割合が増えるべきと考えられる薬剤)

1または2の点数 + 3〜5の点数 の 合計点数


【デビルピル賞】選考基準

「無用/危険/不可/禁止」に相当するもの、以下を満たすもの

1.安全性評価に基本的な欠陥がある

2.現存する(利用可能な)データから、実際に問題になる程度の危険が出現している(規模および、その確実性)

3.動物実験データから具体的な危険が確認され、人でも十分に予測されるあるいは、適切な動物実験がなされていない

4.適切なエンドポイントで効果が証明されていない

5.適切な代替薬剤がある

6.高価である(等価の代替薬剤と比較して)


【ジキル・ハイド賞】選考基準

「画期的有用性あり」に相当する薬剤のうち実際面での危険が大

【有益面の評価:1.〜3.のいずれか高得点のものを採用する】

1.放置すれば短時間で死亡する病気に使用し救命することが明らかに判明しているか、または、著明な苦痛やその悪化を軽減する

2.臨床試験および現実の医療において、限られた人に使用して重要なエンドポイント(死亡減少や著明な苦痛軽減)について確実な利点が証明されている

3.臨床試験において、かなり広範囲な人に限定されたエンドポイントでは確実な利点が証明されている(ただし、死亡に関しては不明か、逆効果)

【有害面の評価:4.と5.いずれも採点する】

4.現実の医療において、害が目立っている(利用可能なデータから、実際に重大な危険が出現している:適切なガイドラインの不在、不適切なガイドライン、企業の不適切な宣伝、医師の思い込みなどによる不適切な使用の結果と考えられる害)

5.実際上の価値はあることが確実または相当確実と推測されるが、その大きさに比較して、費用が著しく高価(絶対的に、また代替薬剤との相対的価格も考慮して)