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かつて、すべての生物は海にいた。海は色々な塩分が含まれている。陸に上がった生物も、海と似たような組成の塩分が溶けている体液を持つ。その体液は血液により全身に運ばれる。体液に溶けている塩分は、ふつう電気的にイオンの形に分離し、電気を通す性質があり、このため電解質と呼ばれる。 体液中の電解質は大部分が食塩の成分のナトリウムと塩素。ついでカリウム。この他カルシウムやマグネシウムなども量は少ないが欠かせない電解質だ。 これら電解質は、体の中で神経や筋肉が興奮するときに重要な役割を担っている。食物などで体内に取り入れられ、尿や汗、下痢、嘔吐などで体外に出される。体の中で、それぞれの電解質の濃度が高くなり過ぎても、低くなり過ぎても、不都合なことが起きる。 ナトリウムが極端に減ると神経や筋肉が興奮しないため、脱力状態となり、意識が朦朧とし、血圧が下がる。多すぎるとナトリウムを薄めるために水が体の中にたまり、むくみとなる。カリウムは、少すぎると神経が麻痺し、高すぎると心臓が急に停止する。 下痢やおう吐を繰り返したり汗をかき過ぎると、水分だけでなく電解質も失われるので補給が必要だ。下痢やおう吐をしている時に口から補給すると逆効果になることがある。脱水があまりなければ1〜2食絶食するだけでよいが、脱水がひどい場合は、点滴で補給する必要がある。 この際に補給する点滴液は電解質の入った水で「電解質補液」という。電解質の失われ方と必要に応じて幾種類かの補液(点滴液)があるし、これを顆粒状にして水に溶かして飲用できるようにしたものもある。スポーツ飲料は一種の電解質液だが、下痢時は冷たい液よりも温かい番茶などの方がよい。 日経新聞98年4月13日付改編 |
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