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以前(1998年以前)、病院で見る同意書といえば、「十分に説明を受けた。ついては一切意義を申し立てません」式の手術の同意書程度で、同意書といっても形式的なものであった。 しかし最近では、手術に限らず、危険を伴う処置や造影検査、輸血の際にも、その意味と危険性を説明し、実施前に本人や家族に同意書にサインをしてもらうことが多くなってきた。 同意書にサインをしてもらうためには、説明が欠かせない。その説明の内容も書かれたものが多くなってきた。簡単すぎるものも問題だが、詳しく書いてあれば安心かというとそうでもない。内容的には疑問のあるものも少なくない。今日では、その内容自体が問題になってきている。 説明書には、次のような内容が含まれているかどうかよく確かめて欲しい。 日常の診療で説明に必要な内容はまず、 1)それをしなかったらどうなるか、 2)した場合にはどの程度の利点があるか、 3)危険性はどうか、その種類や頻度は、どのような症状がでたら止め、どのような時に受診すべきか、 4)以上のことが、平均的な人ではどの程度で、その人の条件を考えた場合にはどうかなど。 5)特殊な手術などの場合には他の施設での成績だけでなく、その施設でのそれまでの実績はどうかといった点についても説明がなされるのが理想であろう。 脳の動脈瘤は放置しておけぱ破裂する恐れも何%かはあるが、手術による危険もある。小さいものでは放置しておく方が危険が少ないと考えられる。しかし、最近では脳ドックで小さい動脈瘤がたくさん見つかるようになり、予防的手術をすることが多い。しかし、放置した小さい動脈瘤の危険に関するデータがほとんどなく、説明が治療の利益を強調するほうに傾く傾向がある。。 患者としては、同意書にサインをする際は、先の各事項について、実際のデータを示してもらい、場合によっては他の医師の意見も参考にして決めるのが賢明かもしれない。 日経新聞1998年9月14日付改編 |
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