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star01e.gif 下痢 病気の前兆も、危険な脱水star01e.gif

 

  

  

 食中毒の典型的な症状はヒ素中毒やフグ中毒などは別として、ごくありふれた細菌による場合は、下痢、嘔吐、腹痛である。

 下痢は、便が液状あるいは、半液状になった場合をいう。排便の回数が何回あっても、普通の硬さであれば下痢とは言わない。

 下痢を起こす原因はいろいろある。要は、腸の中に大量の水や油、液体を含んだ状態になると、下痢が起きる。腸の中に水が溜まる理由のひとつは、大量の水(特に冷たい水)や油を飲食して、消化や吸収ができない状態、つぎに、腸に異物や細菌が進入してきた時にこれを排除しようとして腸の粘膜に炎症が起きるため。3番目が、ホルモンや薬剤、毒素などの影響で腸の中に水分が分泌した時、それに、腸が刺激されて運動(ぜんどうと言う)が高まった場合などに下痢を起こす。

 かぜが万病のもとと言われるように、下痢は、胃腸の病気に限らず、他の病気の最初の症状であることも多いので、かぜに劣らず、万病のもとといえる。

 細菌やウイルスによる感染症としての腸炎や、肝炎ウイルスでもA型肝炎などは病気の初期には下痢を起こすことがある。潰瘍性大腸炎や膵臓炎、食物アレルギーでも下痢をするし、胃癌が腹膜に転移して腸を刺激して下痢を起こしてくる場合、薬でも下痢をよく起こす。夏に下痢やかぜをよくひく人に多いのはクーラーが強すぎ、冷たい飲み物が多すぎる場合である。

 下痢が危険なのは、大量に下痢や嘔吐で脱水状態になることだ。とくに小さい子供は、脱水を起こしやすい。下痢や嘔吐が激しくて、ぐったりし、舌が乾き、目がくぼみ、尿が少なく濃い、体が冷たく、体重が7%以上も減ったということがあれば、脱水が相当強いことを意味する。病院できちんとした手当てを受ける必要がある。

 軽い下痢なら、ほとんどの場合、抗生物質は不要である。

日経新聞1999年8月9日付改編

 

 

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