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star01e.gif GOT,GPT  肝細胞の傷みをチェックstar01e.gif

  

 肝臓は人間の身体の中の一大化学工場である。いろいろな原料を使って生命の維持に欠かせないたんぱく質、脂肪分、酵素類を作りだし、不要になったものを処理している。

 GOTとかGPTは、細胞がぶどう糖を燃やしてエネルギーを取り出す化学反応をうまく進めるために必要な酵素の略称。GOTは肝臓のほか、心臓や一般の筋肉に多く含まれるが、GPTはほとんど肝臓だけにしかない。最近では欧米の表記に合わせて、AST、ALTという表示を併記する検査施設も多い。

 肝炎や肝臓毒の影響で肝細胞が壊れると、細胞中にあるこれらの酵素が血液中に溶け出す。だから、血液中にあるこれらの酵素の値により、肝細胞の傷み具合をチェックできる。 検査施設によって少しずつ違いがあるが、正常値は、おおむね30から35以下である。ウイルスや薬剤による急性の肝炎では、1000単位以上に上昇し、黄疸が出ることがしばしば。一方、慢性肝炎ではせいぜい200から300単位まで。肥満していると肝細胞も弱くなり、40から50程度には上昇することがある。

 健康なときにはGOTがGPTよりやや高い。慢性肝炎ではたいていGOTよりGPTの方が高い。肝硬変になると逆にGOTがGPTよりも高くなることが多い。GOTの値は心筋梗塞や非常に激しい運動、重労働、けいれん、筋肉注射などの後にも上昇する。

 初期に異常をとらえて早目に中止すれば大抵の場合は重大にならずに済むので、検査の指示があれば受けて頂きたい。

 1997年8月25日付け日経新聞夕刊

 

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