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star01e.gif 感染症 微生物などで発病star01e.gif

 

  

  

  人の目には見えない生物を微生物という。そのうち病気のもとになるものを病原微生物という。微生物に限らず人の病気のもとになる生物あるいはそれに類するものを病原体という。大きなものからあげると、寄生虫、アメーバなどの原虫、カビ類(真菌という)、細菌、マイコプラズマ、ウイルス、それに最近大きく問題になっているプリオンなどである。

 病原体が体の中に侵入して住み着き、増殖して活動を始め、生体に何らかの反応を起こしたとき、感染が成立したという。単に住み着いただけで、全く何の反応も示さない場合には保菌(保因)状態とか、キャリアと呼ぶ。そして、感染の結果として、人に自覚症状が出たり、実際的に困った状態になるのが、発病である。感染によって、引き起こされる病気を「感染症」という。

 インフルエンザウイルスのように病原体が体に侵入して住み着いたら数時間でたいていの人が発病する場合から、感染してもなかなか発病しない場合などいろいろだ。発病していても軽く済んで気がつかない場合も多い。

 たとえばMRSA(メチシリン耐性黄色黄色ブドウ球菌)のような場合によっては致命的となるような菌でも、単に住み着くだけの場合もある。今は感染予防対策が整っているが、以前のB型肝炎ウイルスの母子感染ではウイルスが母から子に感染した。多くの場合当面は発病しないで保因状態がしばらく続く。

 原因になる病原体が直接的あるいは間接的(動物などを介して)に人から人に伝搬することが多いことから、とくに重い症状を起こしたり感染力の強い感染症が長い間「伝染病」と呼ばれてきた。「伝染病」という呼び方は「伝染病対策」と結びつき、社会防衛の目的のもとに個々人の人権が軽視されてきた経過を反省して、これまで伝染病といってきたものを「感染症」という呼び方に近年改められた。

日経新聞1999年1月18日付改編

 

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