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star01e.gif 抗不整脈剤 危険なときのみ短期使用をstar01e.gif

 

  

  

 心臓の動きが不規則になると、心臓のポンプとしての働きが落ちる。極端に落ちると命にかかわることがあるために、不規則な脈が出にくくする必要がある。抗不整脈剤はそのように不規則な脈を抑制するための薬だ。

 心房性の不整脈が命にかかわることはまずないことを前回でも述べた。とくに心房性(上室性ともいう)の期外収縮は、全く気にすることはない。不整脈の薬は不要だ。しかし、発作性心房性(上室性)頻脈は長時間続くと心不全を起こすことがあるので、この場合には、脈を遅くするために不整脈の薬を使用する。また心房細動という不整脈も起こってから短期間の場合には不整脈の薬を使う。

 一番問題なのは心室性の不整脈だ。心室頻拍や心室細動は命にかかわる場合があるが、単なる心室性の期外収縮の場合には少々たくさん出ていても、不整脈の薬を使うべきではない。もちろん24時間連続して心電図を記録するホルター心電図で心室頻拍や心室細動など重症の不整脈が出ていないことは確めておく必要はあるが。

 心筋梗塞になって重い不整脈を起こしたために、それに対してある抗不整脈剤を使用して確実に効果があることが確かめられた患者に不整脈の薬を続けた場合は、その薬とそっくりの擬薬(プラシーボ)を使用した人とを調査したところ、不整脈の薬を続けた人の方が寿命が短くなってしまった。このように不整脈に対して、重症の不整脈用の薬を使い続けると、かえって重い不整脈を誘発して寿命が短くなることが大規模な臨床試験でわかったのである。不整脈の薬は命にかかわるような重いものだけに、重大な危険がある時だけ短期間の使用に止めるのが賢明である。

 日経新聞1999年3月1日付改編

 

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