|
|
|
|
|
|
最近(98年現在)、脳卒中後の後遺症状改善を目的とした脳代謝循環改善剤、いわゆる「抗痴ほう剤」の4成分が効かないということで使用されなくなった。それまで効くと信じてきた薬が効かないと分かった時、患者さんや家族の方の驚きはたいへんなものであったと思う。 これら薬とは言えなかったものに、合計8500億円もの金が使われ、中には副作用を起こす人もいるのだから、その無駄は金だけで解決するものでもない。 同じ効果をねらった薬でホパンテン酸という「薬」が約10年前副作用のため実質的に中止となった。今回中止の4成分は、ホパンテン酸と比較の結果、効き目と安全性が認められたもの。医療財政の見直しを迫られたため改めて臨床試験が実施され、効果がないと判明したものだ。 この種の「薬」で最も多いのが、脳の血管を広げるもの。しかし、脳梗塞で詰まった血管が再開通するわけではない。健康な血管だけ広がって、肝心の詰まった部分の血液が少なくなるおそれさえある。 つぎに脳の神経を興奮させて神経機能の改善を期待したり、逆に興奮のしすぎを抑えて後遺症としての精神の働きや運動機能を改善しようと狙っているものも多い。動物試験ではそれなりの作用はあるのだが、壊れてしまった脳を、自然の回復力以上に回復することは、実際には無理なようである。しかも障害された脳の神経は過敏な状態になっているので、副作用も起きやすい。 日経新聞1998年8月3日付改編 |
|
|
|