line1_1.gif

 

star01e.gif抗痴呆剤の副作用体の動き、悪くなるstar01e.gif

 

  

  

 私事で申し訳ないが、以前、田舎で暮らしている父親(当時80歳)が久しぶりに大阪に出て来た。しかしどうも体の動きが悪い。前かがみでユックリとしか歩けない。パーキンソン病という体の筋肉が緊張しすぎて動きが悪くなる病気そっくりだった。どうしたのだと聞いたところ、2〜3カ月前頃、目まいがして病院に行ったら、CTで脳梗塞が見つかり、薬を飲んでいるという。薬はいわゆる脳循環改善剤の一つで脳の血管を広げるものだった。CTで梗塞はごく小さいので、その後遺症で動きが悪くなっているとは考えられない。これと似た薬でパーキンソン症状を起こすものがある(現在も使われている)ことを知っていたので、薬で起こったものに違いないと思い、中止するよう言って別れた。

数日で症状は軽くなり、2週間もすれば、めまいを起こす前の状態に戻っていた。そのまま使い続けていたら、脳梗塞が悪くなったと勘違いし、薬そのもので後遺症を起こすところだった。現に類似の薬で、本物のパーキンソン病になってしまい、薬を止め少しましにはなったが、後遺症が相当残ってしまった人もあるくらいだ。

 痙攣、幻覚、錯乱状態、肝障害や血液の異常も起こることがある。最近中止となった4成分だけでなく、この種の薬は総じて同様の副作用が起こりうるし、効果はあいまい。ドイツやフランスでは少し使われているが、イギリスやアメリカでは使われていないものばかり。整理が必要な薬が多いのが特徴だ。

日経新聞1998年8月10日付改編

 

line1_1.gif