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star01e.gif 狭心症の予防 禁煙、適度な運動が大切star01e.gif

 

  

  

  狭心症の予防と長期的な進行防止のためには、その原因である血管の壁の傷、血管の緊張と痙攣、心臓の筋肉の酸素不足などを起きにくくする必要がある。適度な運動は肥満の防止に必要だが、運動のしすぎや慢性的ストレスは血圧を高め血管を傷つける。喫煙は血管をいつも緊張状態にして慢性的酸素不足を招く。

 そこで、喫煙している人はまず禁煙する。高血圧、糖尿病、肥満、高コレステロール血症の人は、食事療法(特にカロリーをとりすぎない)と適度な運動が必要だ。ストレスをためない、十分な睡眠をとること、アルコールを控えることも大切である。

 狭心症の発作は酸素の相対的な不足で生じる。そこで、治療として、以前は心臓の血管を広げて血液の供給を増やすのがよいと考え、心臓の血管を広げる薬剤を選んでいた。しかし、血管を広げるにもエネルギーと酸素が要る。少しぐらい酸素供給は増えても、全体的には酸素不足から狭心症の症状が強まることがある。

 どうやら狭心症の治療には酸素の必要量を減らすことが得策のようだ。強い運動や労働、精神的ストレス、感情的興奮、寒さのストレス、大気汚染や喫煙などで狭心症は起きるので、まず安静にする。座るのが一番よい。横になると血液が心臓に一度に帰ってきて、負担がかえって大きくなる。

 ニトログリセリンは狭心症発作の特効薬だが、動脈でなく静脈を広げて血液を一時的に静脈のプールにため込み、心臓に一遍に帰ってくるのを防ぐことが最も大切な作用である。心臓の血管を広げたり血管の痙攣をとるカルシウム拮抗剤は一時的にはよいが、長く使うと心臓に負担がかかり不適切であることが最近分かってきた。長期的にはむしろ、ベータ遮断剤という系統の心臓の興奮を抑える薬の方がよい。

1997年10月6日付け日経新聞夕刊

 

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