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star01e.gif 急性呼吸窮迫症候群 免疫機構、肺も攻撃star01e.gif

 

  

  

 もともと肺には異常のなかった人の肺が直接的あるいは間接的な傷害を受け、急速に呼吸困難に陥った場合を急性呼吸窮迫症候群という。以前は成人呼吸窮迫症候群と言われていたものだ。英語の頭文字をとればどちらもARDSであり、医師の間ではARDSでよく通っている。

 全身性炎症反応症候群(SIRS)あるいはその最も重症の状態というべき多臓器不全でおかされる主な7つの臓器のうち、とくに肺が傷害された状態が急性呼吸窮迫症候群と考えていただくとよい。

 全身性炎症反応症候群(SIRS)や敗血症では、(何度も言うが)インタ−フェロンなどのサイトカイン類が出て細菌やウイルスを攻撃して死滅させる。しかしサイトカイン類は、細菌類でけでなく自分自身の体の正常な細胞まで攻撃する。サイトカイン類の一部が肺に到達して、肺の細胞を攻撃するため、正常の肺の機能である酸素を取り入れて炭酸ガスを追い出す働きができなくなり、呼吸困難が生じるのである。

 したがって、ショックや重度の外傷などSIRSや多臓器不全を起こす原因はすべてARDSを起こす原因になる。それ以外に肺に刺激のあるガスや、胃液が誤って肺に入ってしまうことなども原因となりうる。

 全身性炎症反応症候群(SIRS)を起こしてからはやければ1〜2日、遅い場合でも3〜4日で呼吸困難が強くなり、胸のレントゲンをとると微粒子状の影がすりガラスのように見えるようになる。

 ARDSになると死亡率は40〜80%、重症の場合には90%以上となりしかも大部分が2週間以内にが死亡する。

 初期の全身性炎症反応症候群(SIRS)の段階での治療が重要なゆえんである。

日経新聞1999年9月13日付改編

 

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