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star01e.gif ローカルドラッグ 日本のみの薬多くstar01e.gif

 

  

  

 世界の先進国で共通して使用されず、ある国でしか使用されない薬のことを「ローカルドラッグ」と呼んでいる。

 日本で1997年に年間推定売り上げ高100億円以上の薬を調べたら143 成分あった。このうち英米独仏の4カ国すべてで使用されている標準的な薬は43%、4カ国の何れでも使用されていないローカルドラッグが40%に達した。

臨床試験の欠陥は、粗悪医薬品や薬害の原因となることを他の項で述べたが、現に薬害を起こした「ソリブジン」では死亡した人を除いて集計していたし、「抗痴呆薬」も臨床試験の欠陥が問題の原因であるようだ。

さらに大きな問題は、日本のローカルドラッグの多くが、欠陥臨床試験の結果生まれ、高価な新薬になっている点である。

 日本で脳梗塞や脳出血に効能があるという35種類の成分を調べたら、独仏で使われているものでも8種類(23%) にすぎず、英米で同じ効能効果で発売されているものは0であった。

種々の日本の臨床試験をよく調べると、ランダム化(厳密なくじ引き)の手続きが不公平であったり、重い副作用が出たら除く、目隠しを外すなど、厳密な手続きどころか、それが意図的に破られたと疑われる臨床試験が多数発見される。評価尺度には、ほぼ全面的に「全般改善度」という医師の主観的判断に頼った尺度が用いられている。

このような方法を組み合わせた、良質とは言えない臨床試験で、外国で通用しないローカルドラッグが作られてきたようである。さらに大きな問題は、日本のローカルドラッグの多くが高価な点である。 

日経新聞1998年8月24日付改編

 

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