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star01e.gif モルヒネ がんの痛み緩和・コントロールstar01e.gif

 

  

  

 モルヒネは麻薬という暗いイメージがあるが、いまやがんの緩和治療、痛みのコントロールの中心となる医療には欠かせない非常に大切な「くすり」である。

がんの痛みを和らげたり取り除くには、重い肝臓病や胃潰瘍など禁忌の病気がないかぎり、ふつうの痛み止め(非ステロイド系抗炎症鎮痛剤)をまず使うが、むしろこれは補助的。がんの痛み止めの中心はやはりモルヒネである。

モルヒネが怖がられる最大の原因は禁断症状だが、これは薬を急に中断することによってのみ起きる。痛みがひどい時だけでなく、痛みを感じないようにするためにずっと続けているかぎり、禁断症状は出ない。痛みが軽くなってモルヒネが不要になれば、徐々に減量しながら中止すれば、禁断症状はでない。

 モルヒネにはつきものの吐き気や便秘、ねむけの副作用は、モルヒネを使う際の支障にはならない。多くの場合あらかじめ吐き気止めや便秘薬を飲むようにする。ねむけは徐々に慣れてくる。強い場合にも対処方法はある。ただし、発疹やかゆみなどのアレルギー症状のためにモルヒネが使えなくなることはあり得る。

 モルヒネ恐怖の一因は、使った直後の呼吸停止。これは以前、モルヒネがいよいよ最期という人に主に使われていたためだ。

 痛み止めは、病気の程度や時期に応じてではなく、患者本人の感じる痛みの強さと、痛み止めの効果に応じて使う。効き方は人によって十倍も何十倍も違うからだ。モルヒネは痛みが消えるまで増やすことができる。もちろん稀には効かないこともあるので、この場合には、他の系統の薬を試みたり、麻酔科の医師に登場願うことになる。

 モルヒネの有効で安全な使い方は、世界的に確立されている。がんで痛みを感じたら、遠慮なく早い目に主治医に。

 日経新聞1998年12月14日付改編

 

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