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メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のこと。黄色ブドウ球菌は「とびひ」の原因になる細菌で、ふつうの健康な人の皮膚や口の中などいろいろな場所にいる。 健康な人では発病することはまずないが、手術後や抗がん剤などを使用中で抵抗力の弱っている人では、この菌が繁殖して重い感染症を起こし、致命的になる場合がある。 黄色ブドウ球菌にはもと もとペニシリンがよく効いた。しかし、たくさん使われた結果ペニシリンが効かない抵抗力のある菌(耐性菌)が出現してきた。そこで、この耐性菌にも効くメチシリンというペニシリン系の抗生物質が開発された。しかしまたしばらくすると、このメチシリンにも抵抗力を持つ黄色ブドウ球菌が現れた。これが、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、略してMRSAである。 MRSAは、大部分のペニシリン系抗生物質だけでなく、セファロスポリン系の抗生物質も効かない。日本では、セファロスポリン系抗生物質の過剰使用がMRSA出現の原因になった。バンコマイシンというペニシリンとは全く別系統の抗生物質が現在MRSAの特効薬だ。しかし、そのバンコマイシンにも、そろそろ耐性菌が出始めている。 MRSAは主に手や衣類で直接接触することによって感染する。病院内にいる保菌者から、あるいは医療従事者を介しての感染、つまり院内感染は社会的な問題になった。MRSAの予防には、無駄な抗生物質を使用しないこと、手洗いの励行、消毒用アルコールによる手指を清潔にすることが最も重要。病室の入り口にスプレー式の消毒薬を置くなどして積極的に感染予防に取り組む病院が増えている。 (日経新聞1998年3月23日付け改変) |
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