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発売間もなく15人が死亡したために販売中止になった皮膚病の薬ソリブジンの事件では、薬剤の「併用禁忌」が問題になった。禁忌は「きんき」と読む。 ソリブジンは強力な抗ウイルス剤だが、ふだんは安全性に問題はない。しかし、ある種の抗がん剤(フルオロウラシル系)を同時に処方され飲んだ人では、抗がん剤の効き目も毒性も10倍以上にもなるため、同時に使ってはいけなかった。このような「飲み合わせ」のことを「併用禁忌」という。薬の飲み合わせだけではない。ある種の薬をある種の病気の人に使うと、元の病気が悪化したり、その薬が分解されずに体内にたまったりして、ついには毒性が現れることがある。それが「禁忌」であり、むしろこの方が問題のことが多い。 花粉症などでよく使用されているテルフェナジンという「眠気の少ないクシャミや鼻水の薬」がある。「併用禁忌」も問題だが、これは重い肝臓病の人にとっては毒性の強い物質であり、急に心臓の拍動が乱れて突然死することがあるから、この薬を絶対に使ってはいけない。危険な副作用を予測する手段がないこともあって、フランスではこの薬剤は販売中止になった。 喘息で絶対に使ってはいけない「禁忌」の薬剤にはβ遮断剤やコリン作動剤などがある。アスピリン喘息の人には解熱鎮痛剤が禁忌なので、患者側も注意しておいてほしい。 1997年4月7日付け日経新聞夕刊 |
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