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肺炎や胃潰瘍、急性肝炎などの病気は通常は一般の病棟(病室)に入院する。しかし、肺炎でもとくに呼吸困難が強くて人工呼吸器が必要になる場合や、大量に出血後ショック状態となり、手術後も全身の状態が悪い場合、急性肝炎から劇症肝炎(非常に重症な肝炎)になった場合など、一般病棟で対応できないことがある。 重要な病状の変化を見逃さないで適切な処置ができるようにするには、24時間厳重に患者さんの病状を監視しておく必要がある。そのために十分に訓練を受けた医師や看護婦を重点的に配置し、監視装置なども十分に備えておかなければならない。このように、内科系、外科系の病気を問わず重症患者専門に、普通の病棟とは別に設けられている病院の部門をICU(集中治療部)という。 ICUはアイ・シー・ユーと読む。カナで書くと、「私はあなたを見る」という英語と同じだが、実際の英語はそうではない。 "Intensive Care Unit"の頭文字をとってICU。intensiveは「徹底的」、「集中的」を意味し、care(ケア)はもう日本語にもなりかけている治療・看護・介護を総合した内容をもつ言葉。unit(ユニット)は「部」である。 心筋梗塞などの心臓病専門のICUをCCUと言い、喘息や肺気腫など慢性の重症呼吸器病専門のICUをRCUと呼ぶ。 1997年4月14日付け日経新聞改編 |
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