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star01e.gif 気管支拡張剤 心臓刺激の強い薬 中止をstar01e.gif

 

  

  

  気管支喘息は以前は気管支が一時的に狭くなって呼吸困難が起きる病気と考えられ、気管支を広げる治療に重点が置かれていた。

 気管支を広げる薬剤には、気管支拡張剤は主に2種類。カフェインの仲間のテオフィリン系と、アドレナリン系(とくにベータ刺激剤)がある。

 最近は、喘息は気管支が狭くなる一時的な病気でなく、気管支粘膜が炎症を起こして腫れたり、粘液がたまったりして狭くなるから起きる慢性の病気と考えられるようになってきた。

 その治療の基本は、一時的に気管支を広げるのではなく、気管支の腫れを引かせる方に重点が置かれている。

 気管支の腫れを引かせる基本的な(抗炎症)治療をせずに、強力なベータ刺激剤系の気管支拡張剤、とくに心臓刺激の強いベータ刺激剤に頼って一時しのぎを繰り返すのは危険。効かなくなるだけでなく、心臓が重い不整脈を起こして突然死する危険がある。

 私たちが詳しく検討した結果、危険と判断したフェノテロール(吸入剤)は、心臓刺激の強い気管支拡張剤の典型だ。フェノテロールを使用している人は、代わりの薬を使いながら、最終的には中止することをお勧めする。

 具体的な中止までの手順は主治医に相談していただきたい。薬害オンブズパースン(FAX番号03−5363−7080)、ニフティサーブのすこやか村喘息館でも手順を詳しく解説している。

日経新聞97年6月16日付改編

 

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