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star01e.gif 低血糖 心臓や血管に負担 star01e.gif

 

  

  

 人はぶどう糖をエネルギー源にして活動するので、血液中には一定の濃度のぶどう糖がいつも必要だ。血糖値は1dl中に含まれるぶどう糖のミリグラム数を血糖値という。ふつう長時間食べなくても60未満にはならず、食後でも120-130程度、大量の糖分をとっても160を超えない。

 血糖値が高すぎる状態を高血糖、低すぎる状態を低血糖という。どちらも体には不都合で、極端な場合は昏睡状態となる。だから、体はわずかな血糖値の上下を敏感に感知して調節している。

 高血糖は食後の血糖値が220mg/dl以下ならあまり問題ないが、低血糖は60mg/dlを切ったら要注意。患者がインスリンや血糖を下げる薬を使用していて、震えたり胸がドキドキし、額や手に汗が出ることがある。これは下がりすぎでアドレナリンが出たことによる危険信号だ。

 こうなると血圧が上がって心臓や血管に負担がかかるので、1回でもこのようなことがあると低血糖を考えるべき。低血糖に気付いたらすぐに甘いものを補給しなければならない。血糖値が300以上というような極端な高血糖が続いていた人は、血糖値を急いで下げると正常値で低血糖の症状が出ることがある。

 糖尿病患者ではない人でも空腹をしばらく辛抱していると空腹を感じなくなるのは低血糖を感知して出てくるアドレナリンのため。低血糖気味だと言って空腹時に甘いものを食べるのはよいが、過べすぎは肥満のもと。ご用心を。

日経新聞97年7月14日付改編

 

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