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せき、たんがひどくて病院に来た患者に、医師が「のどがはれてて炎症が起きてますね」という。ありふれた診察風景だが、炎症とは何だろうか。ひとことで言えば、病原体や刺激物との戦いで傷ついた体を修復する反応である。 ウイルスやばい菌などの病原体は、体の一部を溶かしたり、壊したりする毒素を持つ。その勢力が大きいうえ、粘膜が傷ついて体の抵抗力が弱いと、病原体が粘膜を突破して体の奥に入ってしまう。 おできを思い出してほしい。おできは患部がはじめ「赤く」「腫れ」「熱を持ち」「痛い」。この4つが炎症の特徴である。逆に見えないところでもこの4つの兆候があれば炎症が起こっているといえる。 患部はしばらくすると軟らかくなり、ぶよぶよしてくる。周りに壁ができて中に膿がたまる。この膿は病原体を食べて処理した白血球が壊れてできたものである。こうなると修復が本格化して、もはや炎症の範囲は広がらない。 正常な炎症ならなるべく抑えないほうが病気は早く治る。強力な抗炎症剤である解熱鎮痛剤で抑えると、かえって傷の治りが遅れ、感染が長引いたり重症化したりするので要注意。アレルギーなど過剰な炎症には適切な抗炎症剤を使用し、激しい症状や痛み、熱で体力を消耗しないようにする治療が必要だ。 日経新聞97年7月28日付改編 |
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