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star01e.gif 免疫 異物から体を守る  star01e.gif

 

  

  

 はしかは一度なると免疫ができて二度とかからないが、C型肝炎は免疫ができにくく、慢性化しやすい。免疫とは、体に進入した病原体や病的な細胞などを自分のものではない(非自己)と認識して排除する働きのことである。

 免疫の仕組みには、大きくわけて2種類ある。血液中に浮かんでいる成分で病原体を攻撃するのが「液性免疫」、ウイルスなどに感染した細胞を破壊するのが「細胞性免疫」である。

 ウイルスは体の細胞の中に入り込み(感染)、中で増えてコピーをたくさん放出し、周辺の細胞を次々と感染させる。

 液性免疫の場合、異物を認識するヘルパーT細胞が活発になり、そこから出た指令で別の細胞が抗体を作るようになる。抗体が病原体とくっつくと、異物を処理する食細胞に捕獲されやすくなる。

 細胞性免疫では、ウイルスを認識して直接退治するキラー(殺し屋)T細胞が活躍する。ここでもヘルパーT細胞が関係し、その指令がキラーT細胞を成熟させている。

 ウイルスをやっつける抗体や、ウイルスの一部や発病する力を弱めたウイルスを利用したりする予防接種ワクチン)は、いずれも免疫現象を利用した病気の予防方法である。

 免疫は、体を異物から守るすばらしい仕組みだが、しばしば不都合なことを引き起こす。ある特定の物質に過剰反応するのがアレルギー。自分の体の一部を外敵であると認識して排除しようとするのがリウマチや膠原病などの自己免疫病である。

 正常な炎症や免疫はなるべく抑えない方が病気は早く治るが、アレルギーや自己免疫病は、炎症や免疫反応を抑えて、激しい症状や痛み、熱で体力が消耗しないような治療が必要だ。

日経新聞97年8月4日付改編

 

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