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star01e.gif 因果関係 薬の安全対策は積極的に star01e.gif

 

  

  

 ある病気を治療するには、その病気と本当に関係のある原因を調べる必要がある。「ひどい高血圧を放置しておく」と「脳出血や心筋梗塞を起こす」という場合、両者の間には「関連がある」とか、もっと積極的に「因果関係がある」と言う。

 血管に高い圧力をかけ続けると破れやすくなるだろうし、傷ついた部分で血液が固まって血管が塞がれやすくなることは想像にかたくない。このように、これまでの知識から物事の関係を矛盾なく積み重ねると因果関係が証明されることになる

 しかし、病院や医療関係者が「因果関係」を持ち出す場合、あまりよい場面では言わない。むしろ関連を否定する際に使われる場合が多い。例えば、ある病気が「薬で起こったのではないか」と疑われる場合に、「因果関係が証明されていない」ので「中止措置はとらない」などといってその正当性を主張する場合や、「因果関係が証明されていないので責任はない」と、責任を回避する理屈として言われる場合が多い。

 薬の効果は、科学的に厳密な方法で証明され、しかも、何度も同で結果が出る必要がある。薬の副作用など危険性については、100%証明されていなくても、ある程度の可能性があれば、「因果関係がある」と考えたほうがよい。本当に関連があった場合の危険を防ぐために、安全を確保する方向で行動すべきである。

1997年8月18日付け日経新聞夕刊

 

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