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ふつう薬と薬の相互作用のことを指すが、特に避けるべき組み合わせを「併用禁忌」と言う。ある種の抗がん剤を使用中に皮膚病の薬ソリブジンを使用したところ、抗がん剤の作用が10倍も強くなり、発売後1か月で15人もの死亡者を出した。この薬害事件で「薬の相互作用」の重要性が広く社会的に知られるようになった。 相互作用で問題になるのは、吸収が極端に悪くなって、薬の効果が急に無くなり、都合の悪いことが起きる場合と、薬の分解(解毒)を弱める結果、血液中に薬が蓄積し、効き過ぎで中毒になることである。病気と薬、薬と食べ物との組み合わせも、広い意味では相互作用が問題になる。 薬を飲むと胃腸から吸収され、体内に分布して効き目を発揮し分解され、排泄される。食べ物も一種の化学物質。食べ物によって薬の吸収や分解が早まったり、遅くなったりすることがあっても不思議ではない。相互作用を起こす薬や食べ物は驚くほど多く、実際に不都合なことが起こる場合もある。 たとえば、血液が固まると良くない病気(心筋梗塞の後や心臓弁膜症で人工の機械弁にしている人)では、血液を固まりにくくする抗凝固剤という薬剤を使う。この薬剤は他の物質に影響されやすい。納豆やブロッコリーなどビタミンKをたくさん含む食事は効き目を悪くして、弁が動かなくなったり、しんきんを再発したりする。 問題になった相互作用の例としては、テルフェナジンという抗ヒスタミン剤がある。じんましんや花粉症によるくしゃみや鼻水、かゆみなどの症状に効果があるが、従来の薬に比べて眠気が少ない。このために仕事をなかなか休めない人向きなのだが、重い肝臓病の人や、真菌の飲み薬、エリスロマイシンなどある種の抗生物質と一緒に飲むと、テルフェナジンが血液中にたまってしまって心臓が不整脈を起こして最悪の場合突然心停止を起こすことがある。またグレープフルーツジュースと一緒に飲むと、この薬が効きすぎて心臓が不整脈を起こし、最悪の場合突然心停止を起こすことがあり得る。 グレープフルーツジュースはこのほか、高血圧の薬などいろいろな薬に影響することが知られており、グレープフルーツの苦みに成分が原因ではないかと考えられている。 (日経新聞1998年2月2日付け改変) |
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