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star01e.gif 非ステロイド抗炎症剤 解熱目的の使用避けてstar01e.gif

 

  

  

   炎症は体が異物を排除するための正常な反応だが痛みや発熱が耐えがたい場合がある。急性の感染症に伴う炎症なら病原体が排除されれば熱も痛みも治まるが、リウマチなどではそうはいかない。このような慢性の病気の炎症や痛みを和らげる薬が抗炎症剤。ステロイド剤が最も強力な抗炎症剤だが、それ以外の鎮痛剤系の抗炎症剤をまとめて非ステロイド抗炎症剤、英語の頭文字からNSAIDs(エヌセイズ)とも呼んでいる。

 非ステロイド抗炎症剤は本来慢性炎症の他、痛風など感染以外の原因による痛に使用すべきもの。しかし、強力な解熱作用があるため日本ではインフルエンザや咽頭炎などの解熱にも使用が許可されている。

 アスピリンもその一つだが、普通アスピリン以外のものを指す。ジクロフェナク(商品名ボルタレンなど)やインドメタシン(インダシンなど)、メフェナム酸(ポンタールなど)、イブプロフェン(イブ、ブルフェンなど)の他全部で30種類以上の成分が販売されている。大人に限らず小児にもメフェナム酸(シロップ)やボルタレン坐薬などがよく使用されるが、これらは、日本のライ症候群やインフルエンザによる死亡や脳症の有力な原因と考えられる。厚生省の調査をよく見たところ、非ステロイド抗炎症剤を使用した児のライ症候群による死亡の危険は使用しなかった児の20倍高いことが判明した。この点からも、インフルエンザなど感染症の発熱に対する非ステロイド抗炎症剤の使用は中止し、睡眠が妨げられるような耐えがたい痛みにのみアセトアミノフェンを少量使用するのがよいと医薬ビジランスセンターと医薬品・治療研究会では考えている。

日経新聞1999年2月8日付改編

 

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