|
|
|
|
|
|
こどもがインフルエンザやみずぼうそうになり、熱が下がってそろそろ治ってきたかなと思う頃に、突然意識がおかしくなり、けいれんを起こしたり昏睡になり、肝臓の働きも悪くなって死亡する病気である。約35年前にオーストラリア人のライという学者が報告したことからライ症候群と呼ばれるようになった。 アメリカでは、インフルエンザなどに使用されていた解熱剤のアスピリンに疑いが持たれて調査を実施した。ライ症候群の子は、性や年齢、感染症の強さがが同じくらいのライ症候群にならなかった子と比較して、アスピリンを使った子の割合が圧倒的に多かった。この結果、アスピリンを使った子はアセトアミノフェンという副作用の少ない解熱剤を使った子よりも16倍程度もライ症候群にかかりやすいことが分かった。そこで、アメリカではアスピリンを徹底的に使わないようにした結果、ライ症候群はほとんど発生しなくなった。 一方日本でも以前から百人を越えるライ症候群が毎年発生していると推定される。最近厚生省は、日本のライ症候群は「アスピリンの使用とは無関係にインフルエンザ感染それ自体か、あるいはそれに不明の因子が加わることによって発症することがあるように考えられる」として、原因不明のまま研究を終了した。 しかしこの解釈はたいへん問題。日本ではアスピリンはもともと使わず代わりにアスピリンより強力な解熱剤を使っている。欧米では子供には使わない強力な非ステロイド抗炎症剤だ。日本のライ症候群の原因として、最も疑わしいこれら強力な抗炎症剤についてきちんとした調査をしない厚生省や研究者の結論は不可解だ。これでは現場の医師も処方が混乱するはず。患者さんは自衛のために、かぜやインフルエンザの解熱のために強力な副作用を持つ非ステロイド抗炎症剤は使わない方が賢明だ。 日経新聞1999年1月11日付改編 |
|
|
|