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ドイツ語で処方箋を意味するレツェプト(Rezept)からきている。語源は診療行為の明細という意味合いである。患者が加入している保険者(健康保険組合や市町村など)に対して医療機関が請求する際の診療報酬明細書である。レセプトには、患者に行った検査や手術、処方した薬剤、情報提供や指導などがその項目別に記載されており、その料金(点数で表示される)と、そのような診療をすることになった病名がおおむね書かれている。 厚生省は従来、保険者に対して「レセプトには診療秘密が記載されており、たとえ患者本人であっても閲覧できない」と行政指導してきた。しかし、医療訴訟の増加に伴って患者団体などの要望を受け入れ、今年から本人や弁護士などの代理人からの請求があった場合には、原則として開示するようにした。これまで、患者情報の開示に消極的だった行政としては、画期的なことである。 しかし、このレセプト開示は新たな課題を提示している。医師は当然、今まで以上にインフォームド・コンセント(説明と同意)を徹底しなければならない。また保険者は患者にがんなどの病名を知らせて診療上差し支えないか、事前に「医師に確認」をとることになっている。患者側も、望ましくない情報まで受け取る可能性があるということを知っておくべきだ。 レセプト自体の問題点としては、厳密には診察した内容や投薬内容がすべて書かれているかというとそうではない。高価な薬剤はすべてレセプトに記載されるが、安い薬は記載されないし、まとめて行った検査や手術前の検査などでは細部は不明である。この傾向は今後強くなると細部はますます分かりにくくなる。 レセプトには薬剤と病名の情報が記載されているので、未知の副作用の発見や研究への利用も期待される。患者のプライバシーに配慮しながら、患者自身への情報提供、薬害や薬効の再評価の研究にも利用可能なようにより適切なものにしていく必要がある。 (日経新聞1997年12月15日付け改変) |
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