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患者の臓器や組織の一部を取り出して薄く切り、染色して顕微鏡で詳しく検査する方法(病理検査という)を総称して生検(バイオプシー)という。研究のために行う場合もなくはないが、たいていは、患者自身が治療方法の選択に必要な情報を得ることに役立つ。特にがんの診断に重要である。 たとえば、内視鏡で見つけた胃の潰瘍やポリープががんでないかどうか、肝臓や甲状腺にできた塊ががんかどうか、がんがどこまで広がっているか、外科手術をすべきか、抗がん剤や放射線が効いたかなどを判定することができる。 生検の方法には、皮膚などは直接手術して切開して取ることができる。肝臓、腎臓、甲状腺、前立腺など、以前は腹部を切開していたが、最近では、超音波エコー検査で臓器の中の血管の状態を見て深さなどを確認しながら、超音波ガイドの針によって切除するようになった。また、針にもいろいろの太さのものがあり、組織を吸引するだけの場合や、針先の装置で小切片を切除採取する方法などがある。いずれも局所麻酔をして処置する。 胃や大腸、直腸などの消化管の場合には、内視鏡の中を通したワイヤの先に直径2〜3mm程度の縦長の二枚貝のような鋏がついていて、それで粘膜を切り取る。粘膜の表面には神経がきていないので、切り取っても痛くはない。胃や腸の外側にきている神経が刺激されないかぎり痛まないからだ。出血が長引くこともあるが、ほとんどの場合は自然に止まる。 しかし、やはり生体を傷つけることにはかわりはない。出血や穿孔などの可能性も皆無ではない。必要性と危険性のバランスを十分に確かめながら受けるようにしてほしい。 (日経新聞1998年1月26日付け改変) |
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