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心臓は1分間に約70回収縮し、一生休みなく動いている。心臓が止まれば生きていけない。その心臓を動かしているのは心臓の筋肉(心筋)だ。収縮に先立ち、心筋は電気的に興奮する。その興奮状態を電圧の変化としてとらえ、紙に記録したものが心電図だ。 右心房のある場所から一定の周期で生じた興奮は、特別の経路を通って左右の心室の間の壁を伝わって心室全体に広がり、心臓の拍動ごとに特徴的な波になる。それぞれの波にP波からU波まで名前がついている。小さいP波、大きく尖ったR波、ゆるやかな波のT波などである。その途中の変化の点をQ、Sなどと呼んでいる。 波型は電極の位置や病気によって異なり、一般に両手足の電極を組み合わせて取る6種類に胸部の6種類を加えた合計12種類の波形を記録して評価する。手足の6種類は心臓の上下左右の方向の変化をとらえ、胸の6種類は心臓の前の部分をぐるっと取り囲むようにとらえる。 心電図が威力を発揮するのは、狭心症や心筋梗塞、不整脈の診断。狭心症では、ST部分の線が基準線よりも下がる。安静時で正常でも、運動すると下がる場合もあるので、凸型の台を登ったり降りたりしてST部分が下がれば、心臓の血管が狭くなっている可能性が高い。 心筋梗塞では逆にST部分が上昇してくる。脂汗が出るほど胸が締めつけられる症状があり、この心電図が認められれば、血液の検査結果を待たずに心筋梗塞と診断できるほどである。P、Rなどの波が不規則に現れるのが不整脈である。 心電図を取るのを、体に電気を通されるのではないかと怖がる人もいるが、体から出るわずかの電気を器械で増幅するだけなのでご安心を。 (日経新聞1998年3月2日付け改変) |
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