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まだ聞きなれない言葉だが、1997年4月に定められ、1998年4月から完全実施されている「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する厚生省令」のことである。専門家の間では、英語の頭文字をとって「新GCP」と呼んでいる。 臨床試験は、まだ薬とは認知されていない「薬の候補」が本当に薬としての価値があるのかどうかを確認するための実験だから、不測の事態が起こらないともかぎらない。そこで、患者の人権に最大限配慮し、しかも科学的に適切な研究が行われるように定めたものが、この新GCPである。 1990年にはすでに旧GCPが定められ、これが実施されていたのだが、患者の同意を文書で得ることを義務付けていなかったり、治験審査委員会の規定も不十分であったために、あまり機能しているとはいえなかった。 今回改訂になった新GCPは、ヨーロッパおよびアメリカとも基準を統一してある。この基準で実施した臨床試験結果は、どの国で実施されても、他国に通用するデータとなるはずである。逆に言えば、この基準で臨床試験を実施しなければ、外国に通用する薬にはならないのである。 新GCPで最も大きな変化は、臨床試験への協力を得るための説明と同意(インフォームド・コンセント)を得る際に、平易な言葉で十分な内容を盛り込んだ「説明文書」を使って説明すること。それと、医師が説明をして患者が同意をしたことを、医師と患者(試験を受ける人)の双方が「同意文書」にサインをし、文書で残すことを義務付けた点である。 また臨床試験を実施する企業の責任を重くし、企業によるデータ点検を義務化した。治験審査委員会の透明性を向上させ、責任医師や実施医療機関の責任などを細かく規定してある。 日経新聞1998年8月31日付改編 |
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