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star01e.gif 止瀉剤 腸の動き抑え下痢止めるstar01e.gif

 

  

  

  下痢を止める薬のことである。下痢は、種々の原因で液状の便が何回も出る状態を言う。大量の冷たい水や油を飲食したり、細菌やウイルスの感染あるいは薬や毒素など、化学物質の影響で腸の中に水分が分泌するとそれを排除しようとして、腸が刺激されて運動が高まり、下痢が起きる。その時に腸が痙攣を起こすとお腹が痛くなる。

腸の中にたくさん溜まった水分や、腸の過剰な動きは、下痢を起こした結果であるが、下痢の原因ともなりうる。そこで、水分を吸着する薬や、腸の過剰な動きを抑える作用のある薬が止瀉(ししゃ)剤、つまり下痢止めとして使用されてきた。水分を吸着する薬はケイ酸アルミニウムの系統の薬である。副交感神経は腸の動きを高めて下痢を起こすので、副交感神経を抑える薬も下痢止めとして用いられている。この系統の薬は口が乾いたり、尿が出にくくなったりする。さらに激しい下痢には、モルヒネの系統の薬(せき止めの薬のコデインもこの系統)が用いられる。市販の下痢止めの主成分のクレオソートは、クレゾールなどの化学物質の混合物。腸の細胞や神経の働きを障害する作用を利用したもの。

下痢は人にとって不快であるが、人の体のもつ正常な防御機能の一つである。下痢止めは典型的な対症療法薬。ウイルス性の下痢はもちろん細菌性の下痢でも抗生物質も下痢止めもなしにふつう数日以内に治る。

下痢止めを普通の人が使うと当然便秘をするし、重症の感染性の下痢に腸の動きを止める下痢止めを使うと腸が麻痺して重大な副作用を起こすこともある。

日経新聞2000年1月17日付改編

 

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