|
|
|
|
|
|
快眠、快食、快便は健康のシンボル。昼間は活発に活動し夜になればぐっすりと眠り、朝にはすっきり目覚め活動する。これは人にとって理想だ。しかし、人にはいろいろとなやみや腹の立つこともあり、なかなか実際にはこのようにいかず、眠れなくなることがある。不眠が原因となって、食欲がなくなったり、他の病気が悪化する危険があるような場合には、薬の助けを借りなければならない場合もある。ひどい不眠の際寝つきをよくしたり長く眠れるよう助けるのが睡眠剤。 しかし、睡眠剤は安易に使用されがち。ちょっとした不眠でも、患者さんはよく睡眠薬を希望し、医師もよく処方する。しかし、睡眠剤は基本的には依存(一般には習慣性とも言われる)が生じやすいものだということを肝に銘じて欲しい。特に目覚めがよいといわれるトリアゾラム(商品名ハルシオン)などの睡眠剤は初めはよく効いていても効力が低下しやすい。1週間以内にも夜、途中で目覚めた後眠られなくなる(夜間覚醒)ことも多いので、追加服用していると、段々増えて薬がなければ眠られなくなり(依存症)、飲まないと不安やイライラが高まるようになり、お年寄りだと痴呆症状が出ることもある(これが離脱症状)。そのうち幻覚や痙攣などの激しい症状を伴うこともある(これをよく禁断症状と呼ぶ)。そして、翌日は神経の集中力を欠くようになり、活動が不活発になり、夜また不眠となる。 短時間作用型の睡眠剤の血液中の濃度が半分にな時間(これを半減期という)はアルコールとほぼ同じで約3時間。依存症や禁断症状を生じやすいアルコールによく似ている。 飲んでから眠るまでのことを覚えていないことがある。この現象を前向き健忘症というが、これも深酒して自分がしたことを全く記憶していないことと同じ現象だ。 ちょっとした不眠には睡眠剤は使わない方がよい。使用するにしても1週間以内に止め、長期服用は禁物だ。短時間でよく効くと言われる薬を飲んでいる人は、他のものに切り換え、徐々に減量しながら最終的には中止する方がよい。 日経新聞1999年11月1日付改変 |
|
|
|