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ステロイド骨格という化学構造をもつ物質をすべてステロイドと言う。電解質の調節をする鉱質コルチコイド、女性ホルモン(黄体ホルモンと卵胞ホルモン)男性ホルモンなどもステロイドホルモンの一種。しかし、病院で何も断りなしにステロイドあるいはステロイドホルモンと言うと、ふつう副腎皮質ホルモン(副腎皮質ステロイド、コルチコステロイド、コルチコイドなどとも言う)、中でも糖質コルチコイドを指す。以下、ステロイド(ホルモン)はこの糖質コルチコイドの意味。 ステロイドホルモンは人が活動するのに合わせて夜は少ないが、朝には多く分泌され種々の働きをする。正常の状態では糖や蛋白、脂肪、電解質だけでなく、循環器、免疫、神経、ホルモン全体のバランスなどを生体がうまく維持できていくように調節している。強いストレスがかかった時、それに耐えるために必要なものを動員する。ショックに陥らないよう血圧を維持するし、戦闘に際し必要なエネルギー補給のためグリコーゲンからブドウ糖を作って血液中のぶどう糖を増やす。糖質コルチコイドの名はこれに由来する。 治療に使うステロイドはその炎症や免疫を抑える作用を利用したもの。効果の発現には最低1〜3時間かかる。喘息発作で1〜数時間後に遅く現れる炎症、慢性的な炎症反応を抑える効果がある。特に喘息の発作予防のための吸入ステロイド剤、エリテマトーデスなど膠原病や自己免疫疾患、アレルギー性疾患に威力を発揮する。 しかし、炎症や免疫を抑える力が強力な分、過剰なステロイドは、感染による体の抵抗力を弱めたり、体の中に重い感染があっても目立たなくしてしまう。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、精神の異常、骨がもろくなり、顔が満月のように丸くなり、太り、毛深く、ニキビが出たりもする。長期では白内障も問題になる。また、アトピー性皮膚炎に長期に使用して、止めるとぶり返して止められなくなった例も多い。効き目が強力なだけに、使い方には細心の注意と情報が必要な薬だ。 日経新聞1998年4月27日付改編 |
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