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star01e.gif 初診料,再診料 病気の内容を問わず一律star01e.gif

 

  

  

  患者が初めて病院にかかるときに算定される「基本料金」である。診察が終わった後、窓口で支払う金額を初診料と思っている人がいるようだが、それは初診料や検査料、薬剤の価格など初めての医療にかかったすべての費用の中から、患者自身が負担する金額である。再診料は、2回目以降の料金。同じ病気でも一旦中断後の受診は初診扱いとなることがある。初診料の方が再診料よりも当然高い。

 自己負担の割合は、1997年9月から健康保険本人は1割から2割に増えた。70歳以上では以前は1か月に1020円支払えば同じ医師に何回でもかかることができたが、9月からは通院1回ごとに500 円(2000円が上限)を払うことになった。

 初めて受診する場合、医師はこれまでの大きな病気や体質、アレルギー、副作用にあたったことがないか、他の病気で別の病院にかかっていないか、常用している薬、職業、嗜好など、いろいろと聞かなければならない。その上で今回病院に来た理由や症状、経過を聞く。これが本来の問診だ。このような丁寧な問診で病気はおよそ見当がつく。あとは確認のための、診察や検査だ。2回目以降もそうだが、初めての診察では、特に丁寧に診るから時間もかかる。検査なども含めて初診で患者の状態の80〜90%程度まではわかるように思う。

 ただし、残りの10〜20%の区別はこれまた大変である。重大な病気ではないか。重大な病気が疑われる場合は、それを確定するための検査が必要だ。そのために、現在最も可能性の高い病名、それからある程度考えておかなければならない病名を患者に言ってその疑いを確定するため、あるいは疑いを晴らすために、検査の必要性を話す。その際にも検査をせずに放置した場合の危険性、検査に伴う危険性などを説明する。

 その上で、食事療法などの方が重要な場合にはその指導をするが、苦痛な症状を和らげることが得策の場合にはそのための処方をする。禁忌の薬剤は処方しないようにし、副作用が現れるとすれば、最初にはどのうような症状で現れるかなど、説明が必要だ。粉薬は絶対に飲めないなど患者の好みもある。

 2回目以降より時間も労力もかかるので、1回目が2回目以降よりも高いのも当然だ。そうしたなか、「病気が複雑でも簡単でも一律という初診料は不公平」との不満が医師側にはある。小児科や複雑な疾患(特に神経疾患など)では、5分程度ではとうてい上記のような丁寧な問診はできない。かといって今の初診料で1人に30分もかけていたら病院経営は成り立たない。鶏が先か卵が先かの議論ではないが、医師の立場を代弁すれば、よりよい医療を実現するには、患者の病気に対する判断の80〜90%が決まる初診(基本診療)にそれ相当の報酬を期待したい。

                                                (日経新聞1997年12月22日付け改変)

 

 

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