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ウイルスによる肝炎は、1965年頃までは流行性肝炎と血清肝炎の2種類と考えられていた。流行性肝炎をA型肝炎、血液で感染する肝炎をB型と区別し、それぞれに対応するウイルスも見つかったが、この二種類ではないのにウイルス性の肝炎が起きていることが注目されて、これを非A非B型肝炎と言うようになった。 非A非B型肝炎の原因ウイルスはなかなか突き止められなかったが、89年にようやく見つかり、C型肝炎ウイルスと名付けられた。現在、肝炎を起こすウイルスはA型からE型までが確認されている。 A型肝炎は、飲み水や生カキなどを通じて経口感染する。はき気や黄疸、GPTが1000以上になるなど激しい症状を呈するが、慢性化することなく治癒する。肝がんになることもない。 しかし、血液を介して(輸血や予防接種、医療機関での注射が多い)感染するB型肝炎やC型肝炎は様子が異なる。B型肝炎は大人が感染しても慢性化することはまずないが、母子感染ではほとんどが慢性化する。C型肝炎は、急性期の症状はほとんどなく、GPTの上昇も1000を超えることは少ないが慢性化しやすく、半数程度が慢性化する。B型とC型は慢性肝炎から肝硬変、肝がんにもなりかねない。 輸血のウイルス保有者のスクリーニングを徹底し、注射器や医療器具の使い捨てが普及してB型肝炎やC型肝炎は著しく減少した。B型肝炎は、B型肝炎ウイルスの抗体であるガンマグロブリンとワクチンの普及による母子感染の減少でさらに減少している。 40歳以下の人ではA型肝炎の抗体を持っている人は少ないが、ワクチンが開発されている。ただし使い捨て医療器具の増加は、新たな産業廃棄物問題を引き起こしている。 1997年9月1日付け日経新聞夕刊 |
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