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star01e.gif 全身麻酔剤 重要な呼吸・血圧の監視star01e.gif

 

  

  

  睡眠剤や精神安定剤に使う薬を大量に使用すると、人は眠ってしまう。痛みもなくなるので、手術も可能になる。手術では、吸入して効果のある気体の全身麻酔剤、静脈注射で使用する睡眠剤系の薬剤、神経遮断剤系の薬剤、それにモルヒネの系統の薬剤も全身麻酔剤として用いられる。

 吸入麻酔剤や睡眠剤系の全身麻酔剤を使用すると、使用しはじめは、意識状態は変わらず、痛みの感覚が鈍くなる。ついで興奮状態となり、さらに量が増えると、うとうとしはじめ、筋肉は弛緩し、手術をしても痛みを全く感じない程に完全に麻酔がかかる。さらに麻酔剤の量を増やすと呼吸が止まり、呼吸を補助しなければ死亡してしまう。

 この痛みが鈍くなり、興奮し、眠ってしまい、そして呼吸が止まる、という状態の進行のし方は、飲酒したときの状態によく似ている。少々の痛みは、飲酒で痛みが止まる(ただし、アルコールが切れるとよけいに痛みはひどくなるが)。大声を上げて喚き散らすかと思っていると、もっとアルコールがまわると、静かになり、ろれつがまわらなくなり、ついにはへたり込んで眠ってしまい、翌日は自分のしたことを全く覚えていない。もっとひどくなると急性アルコール中毒では、呼吸が止まることもある。

 手術の場合の全身麻酔では、呼吸が止まったり、血圧が下がったりして患者さんが危険にならないようにするために、人工呼吸器や点滴で麻酔医が常時監視するのである。麻酔医の仕事は目立たないが、手術を支える重要な役割を持っている。

日経新聞99年11月15日付改編

 

 

 

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