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全身性炎症反応症候群 多臓器不全の前触れ |
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感染の原因菌からでる毒素や外傷や熱傷(やけど)による広範囲に挫滅、あるいは重い膵炎で出る消化酵素などのために炎症を起こし、全身の反応を起こし、一定の基準の発熱(または低体温)、脈拍や呼吸数の増加、白血球の増加または減少を起こした状態をいう。英語の頭文字をとって、SIRS(サーズ)とも呼ばれる。 多臓器不全の項で述べた、多臓器不全の原因になる感染や外傷、熱傷、膵炎などはどれも全身性炎症反応症候群を起こす。多臓器不全とはむしろ、そのような全身反応の最終的な病像といえる。 感染にしろ、外傷にしろ、それらの原因によって出てくるインターフェロンやインターロイキン、腫瘍壊死因子といったいわゆる「サイトカイン」類が全身の反応を引き起こす。 そして、@体温が38℃超または36℃未満、A心拍数が一分間90超、B呼吸数1分間20以上、C白血球数が1万2千超または4000未満(または未熟な白血球が10%超)、のうちと2項目以上があれば、全身性炎症反応症候群という。 感染によって起こった全身性炎症反応症候群を敗血症(セプシス)という。 全身性炎症反応症候群うち、体温が40℃以上または35℃未満、心拍数が100以上、呼吸数が24以上、白血球数が1万8千以上、2千未満、血圧が下がったり、意識がもうろうとしたり、意味不明の言動があるような場合、1時間あたりの尿が30ml未満になったり、皮膚のあちこちに青あざができたりして出血しやすくなった場合、胃潰瘍からの出血を起こしたような場合は多臓器不全の兆候がでてきているわけで重症である。 日経新聞1999年9月6日付改編 |
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