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体にレントゲンを通すと、骨と筋肉や内臓、肺(空気が多い)の3種類くらいは区別ができるが、他の細かい部分は区別が難しい。しかし、内臓には管がいろいろ通っているので、その部分にレントゲンを通しにくい物質を注入すると、他の部分と区別ができ、臓器が鮮明に描き出されるようになる。この物質のことを造影剤という。 胃腸のレントゲンには液状のバリウムが使用されているが、同時に空気も造影剤としてうまく利用する二重造影法という方法があり、日本人が開発した世界的な技術である。 血管や胆嚢(胆管)、腎臓(尿管、膀胱など)など胃腸以外の管を映し出すためには、ヨードを含む透明の液体(ヨード系造影剤)を使う。尿管や膀胱を調べるには、静脈注射や点滴で造影剤を入れて腎臓から排出させる。胆嚢や胆管を見たいときには、肝臓から胆汁中に排泄される造影剤を使用する。 レントゲン写真以外にも、CT(コンピュータ断層撮影)や血管造影に造影剤は不可欠である。病気、とくにがんになると、その臓器に栄養分を送り込んでいる血管の走り方が特徴的な変化を起こすので、患部の様子がよくわかる。 最近のヨード造影剤は以前のものに比べると副作用が少なくなったが、ショック症状を含めてまだ副作用は結構多い。数時間から翌日になって初めて現れてくる遅発性の発疹やショックもある。過敏症でないかどうかの確認のための予備テストをしていない病院も多いようだが、私たち(医薬品・治療研究会TIP/医薬ビジランスセンターJIP)は、予備テストをすれば、患者が造影剤に対して過敏かどうかある程度予測することができ、有用であるとの分析結果を報告している (TIP誌1990年Vol.5 No.8・9)。 (日経新聞1998年1月12日付け改変) |
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