(2006.11.22号)

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No72

11月17日
 被害者:
因果関係を認め、適切な安全対策、救済の公正な判定
  を求める要望書を提出

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック):
 厚労省研究班の報告書の撤回を求める要望書を提出

発病初日の昼,タミフルで異常言動が4〜30倍超に
——厚労省研究班公表データが異常行動を示している——

タミフル服用後に、睡眠中突然死した2人と、異常行動後に事故死した2人合計4人の被害者の家族らは、11月17日、厚生労働大臣に対して、1)タミフルと死亡との因果関係を認め、適切な安全対策をとること、2)タミフルと死亡との因果関係を認め、被害救済の公正な判定をすること、を求める要望書を提出しました。

また、提出に際しては、タミフルと「異常行動からの事故死」および、「睡眠中の突然死」との因果関係に関する意見書(NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)浜作成)をも提出しました。

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)からは独自に、タミフルと異常言動との関係に関する厚生労働省の研究「報告書」の取り下げを求める要望書を厚生労働大臣あてに提出しました。

参考資料:

  1. 厚生労働大臣あて被害者4人の要望書
  2. タミフルと異常行動-突然死との因果関係に関する意見書
  3. タミフルと異常行動に関する報告書取下げ要望書
  4. タミフルと異常言動報告書の批判的吟味

「インフルエンザに伴う随伴症状の発現状況に関する調査研究」(主任研究者:横田俊平横浜市立大学教授)の報告書の計算方法の間違いについて、すでに「薬のチェック」

速報版No71で指摘していましたが、特に発症初期の症状を中心に詳しく見ると、おびえや幻視・幻覚などの異常言動を少なくとも2〜4倍、実際はおそらく、4〜5倍(怒り出す)から、約13〜31倍(幻視・幻覚)に有意に高率に発症すると推定され、タミフル使用との強い関連が認められました(詳細は、意見書および、批判的吟味参照)。

厚生労働省は06.10.26公表した調査の結果「タミフル服用と異常言動との関連性は有意でなかった」だから「重大な懸念はない」といいます。しかし、その調査方法も問題が多く、解析方法も明らかに間違いですし、結論も当然、間違ってきます。

睡眠中突然死、あるいは異常行動後に事故死した4人の被害者の家族は、副作用被害救済制度による被害救済の対象として拒否されましたので、厚生労働省に再審査を申請していましたが、今回の報告書で厚生労働省はさらに「重大な懸念はない」との意向を固めた可能性があり、被害者の方々は重大視されました。

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)の批判的吟味の結果、この報告書には重大な誤りがあることが判明したため、意見書を書き、今回被害者4人の方々が要望書を提出するにいたったものです。


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