タミフル(オセルタミビル)の害は、突発型と遅発・遷延型があります。 突発型は、服用直後から半日後程度で急激に現れ、短時間で消えることが多いものです。典型的な症状は、異常言動やせん妄、意識障害、あるいは、その結果、事故(死)に至ることがあります。また、より強く作用すれば、呼吸停止により突然死したり、命はとりとめても、低酸素性の脳傷害で後遺症が残ることもあります。そして、これら突発型は、主にオセルタミビルそのものが脳の中に入り込んで脳を麻痺させる結果生じたものと考えられます。
一方、遅発・遷延型の反応には、血糖値の上昇や腎障害、出血、感染症が増える、遅発性の精神神経症状、発がん性などがあります。こうした反応は、インフルエンザウイルスの活動を邪魔する作用(ノイラミニダーゼ阻害作用)が、人のどの細胞にもあるノイラミニダーゼを阻害することによって起きるものです。
さらに最近、人のノイラミニダーゼが阻害されると免疫が抑えられることがわかりました。しかも、問題になるのは、免疫を抑えると、インフルエンザの症状が見かけ上、よくなるのですが、他のウイルスや細菌が繁殖して別の感染症を起こしやすくなったり、次からインフルエンザにかかりやすくなる危険性があることです。
したがって、最近公表されたコクラン共同計画の研究結果で分かったタミフルの唯一の効果(症状改善までの時間が21時間短縮すること)についてさえ、単に見かけ上の効果である可能性があることが判ったのです。
コクラン共同計画のノイラミニダーゼ阻害剤評価チームで検討して気付いたこの事実は極めて重要です。この点について、特に詳しく解説しましたので、ごらんください。