厚生労働省(厚労省)は2021年10月22日[1]、10月15日までに、合計1308人(ファイザー製1268人、モデルナ製44人)の死亡例の報告があったと発表しました。この中には、3人の未成年者(いずれも男性)が含まれています。
また、10月8日現在のワクチン接種者数(概数)が10歳毎の年齢別に報告されています[2]。これらのデータをもとに、ワクチン接種後の3人の未成年者の死亡とワクチン接種との因果関係を考えましょう。
突然に心肺停止するような「腸管虚血」は、相当太い腸間膜動脈に血栓が生じて閉塞したためと考えられます。基礎疾患のない健康な16歳の男子に、ワクチン接種6日目に腸管動脈の血栓症が生じて心停止し、接種後21日目に死亡しています。このようなことが、ワクチンとは無関係に偶然に起こることは、きわめてまれなことでしょう。
そこで、2019年の人口動態統計の年齢別死因を見てみました。10~14歳で2人(男性)が心筋梗塞で死亡していましたが、脳梗塞や、その他の動脈の塞栓や血栓症による死亡は10歳~19歳ではいずれも0でした。したがって、この男性の腸管の動脈血栓症による死亡は、ワクチンによるものと考えてほぼ間違いないでしょう。
ワクチン接種後に「自殺した」とされた例はこのほかにもあります。25歳の男性はCOVID-19用ワクチン(ファイザー製)を接種後に発熱し、それに伴って「せん妄」が生じました。これを精神病と診断されて車で搬送中に、車から飛び出して事故死しました。そして、これは「自殺」とされました[4]。
本例の、マンション最上階から転落する前の状況に関する詳細な情報が不明ですが、ワクチン接種後の何らかの気分不良などが影響して、一過性にせん妄状態に陥り、危険回避行動がとれずに、転落した可能性もありえます。タミフル服用後にせん妄を起こし、危険回避不能状態で異常行動を起こして生じた事故死を「自殺」と誤って判断された例に似ているでしょう。
2019年の人口動態統計[6]によると10~19歳の小児(人口合計1500万人)の出血性脳卒中による死亡は26人でした、年間、100万人あたりで1.7人です。1年間でこの頻度ですから、ある行為(この場合はワクチン接種)後9時間に起こる頻度は、365分の1のさらに24分の9です。したがって、これが9時間で起こる確率は100万人あたり0.0018人(1.7×9/24/365)と表すことができます。
ワクチンを1度でも接種した12歳から19歳までの小児は10月8日現在で、440万人と推定されています。接種後9時間で1人死亡しているので440万分の1人。これは100万人あたり 0.23人です。単純な確率でいうと、100万人中0.23人という死亡率は、自然に生じる出血性脳卒中の死亡率(100万人中0.0018人)の約130倍に相当します。
医療従事者や高齢者においても、出血性脳卒中や動脈血栓、静脈血栓など、循環器系の病気による死亡が、ワクチン接種後には圧倒的に多くを占めていて、ワクチン接種による影響が強く疑われています[7,8]。
そして、未成年者においても、3人死亡のうちの2人が脳出血と腹部動脈の血栓症による突然死でしたので、死因の割合からしても、接種後の死亡は、ワクチン接種と大いに関係があると考える必要があります。
そして、接種後の死亡は100万人あたり0.68人(3/440万人)、COVID-19による未成年者の死亡は、COVID-19の流行開始から約1年半で3人です。これは、100万人(年)あたり0.22人ですから、ワクチン接種後の死亡がCOVID-19による死亡の約3倍になります。「ワクチン接種後の死亡がCOVID-19による死亡よりも3倍多い」という推論が間違っている確率(統計学的用語でP値)は0.148(約7分の1)です。P値が0.05を下回っていれば計学的には有意ですから、これは、統計学的に有意とは言えませんが、8~9割は正しいとみてよい、ということを意味しています。
したがって、未成年者ではCOVID-19による死亡よりも、ワクチンによる死亡の危険性が約3倍になると考えおく方がよい、といえそうです。
国は、小児へのワクチン接種を今後も進めていくでしょうが、少なくともデータは、未成年者へのワクチン接種はメリットよりも害が上回ることを示唆しているといえるでしょう。