(2003.08.04号)

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No30

  

イレッサ承認申請資料の開示請求
NPOJIPと薬害オンブズパースン会議らが提訴

イレッサの危険性をさらに詳細に解析するため、NPOJIPをはじめ、薬害オンブズパースン会議、医薬品・治療研究会の3団体が厚労省に対して開示を求めていた情報が、不開示とされたため、8月1日、不開示決定の取り消しを求める訴訟を東京地裁に起こした。医薬品の審査資料の開示をめぐる訴訟は初めてである。

NPOJIPらが情報公開条例に基づき開示を求めていたのは、イレッサの承認申請時に製薬会社から提出された臨床試験や動物実験、販売数量などに関する文書である:http://www.yakugai.gr.jp/doc/030404b.pdf

厚労省は5月2日、同6月3日に「当該法人の権利、競争上の地位を害する恐れがある」と知的所有権保護を理由に、安全性(危険性)の検討にもっとも重要な、肝腎の部分(下記)は、すべて不開示と決めた。

  1. 「動物実験に関するもの 反復毒性試験 ラット、イヌ、それぞれの、予備試験、1カ月、6カ月試験の実施日、実施施設名もふくめ、報告書のすべて」に相当する文書
  2. 「第 I 相、第 II 相臨床試験に関するもの すべての死亡例及び有害事象によるイレッサ中止例の臨床経過が記載されたすべての文書。ただし、海外の臨床試験における有害事象以外による死亡例は除く」に相当する文書のうち「治験薬副作用・感染症症例報告書」を除く文書
  3. 「No.39臨床試験における、申請資料概要『イレッサ錠250に関する資料』p507表ト−113の欄外に記載された、集計に含まれていないとされる500mg群の4例の死亡例の臨床経過が記載されたすべての文書」に相当する文書の一部
  4. 「日本における臨床試験(V1511)については、申請資料概要『イレッサ錠250に関する資料』表ト28(p426)中、重篤であることが疑われるメレナ、(5人)、血尿(5人)、呼吸困難(1人)、低酸素症(1人)の症例の臨床経過が記載されたすべての文書」に相当する文書

なお、この件に関して各紙が報道した。

イレッサ承認申請資料の公開を=医薬NPOなどが提訴−東京地裁(時事通信)
イレッサ審査資料の開示を 市民団体、東京地裁に提訴(共同通信)
<抗がん剤>「イレッサ」実験データ開示求め提訴(毎日新聞)

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