(2007.3.26号)

『薬のチェックは命のチェック』インターネット速報版No80

タミフルの承認取り消し・回収を要望

NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)は3月26日、厚生労働大臣に対して、承認の取消し・回収をはじめとする下記の5項目の要望書を提出した。承認取消し・回収の措置以外、タミフルによる乳幼児や成人の突然死、10歳代に多発している異常行動後の事故・事故死の被害は救えないと考えたからである。

厚生労働省は、因果関係否定のまま10歳代のみ原則禁止とするという、支離滅裂な措置をとり、翌日には、因果関係の見直しを言わざるを得なくなった。また当然のことながら、突然死についても因果関係の見直しを言わざるを得なくなった。因果関係否定のまま10歳代には原則禁止としたのであるから、因果関係の認識により近づいた現在、突然死の危険の大きい乳幼児や成人にも禁止を拡大すべきである。

また、医療現場では当初心配したとおり、医師と患者の合意でいわば自己責任として服用がまだ続けられている。さらに、ハイリスク患者でこそ危険であること、予防にも無効であることから、承認取消し・回収措置以外には被害は救えないと考える。

要望書本文はこちら(3月29日、一部のデータの誤りを訂正しましたのでご注意ください)

要望事項

  1. リン酸オセルタミビル(タミフル)と異常死(突然死および異常行動事故死など)、および重大な異常行動事故等との因果関係を認めること
  2. リン酸オセルタミビル(タミフルカプセルおよびドライシロップ)の承認を取り消し、市場から回収すること
  3. 医薬品医療機器総合機構に副作用被害救済の申請のあった人全員につき、認めること
  4. リン酸オセルタミビル(タミフル)服用後死亡、あるいは重症事故、入院、後遺症としての傷害を残し、厚生労働省に報告された人全員に連絡をとり、被害の補償をすること
  5. インフルエンザは死亡に至る重い疾患であるとの見解を撤回し、軽症の感染症であることを国民に周知し、いたずらに不要な治療に走らないよう注意を喚起すること

参考文献

  1. 『薬のチェックは命のチェック』No12(改訂版)、乳幼児にはタミフルは禁止に(2005.3)
  2. オセルタミビル(タミフル)初回服用後、睡眠中に突然死、乳幼児には禁忌と考えるべき、TIP「正しい治療と薬の情報」(2005)20(2):21-25
  3. 「薬のチェック」速報No76:2007.2.21厚生労働大臣あて要望書
  4. 「薬のチェック」速報No77:2007.3.2、「薬のチェック」の緊急警告!事故死・突然死の原因はタミフル!
  5. 「薬のチェック」速報No78:厚生労働大臣への要望書
  6. 「薬のチェック」速報No79:タミフルは10歳代だけでなく全年齢禁止に
  7. 浜六郎、インフルエンザ-NSAIDs解熱剤-オセルタミビル、TIP「正しい治療と薬の情報」(2003) 18(11):129-133
  8. 浜六郎、薬剤関連脳症と薬剤性低血糖症 TIP「正しい治療と薬の情報」(2001) 16(11):112
  9. フロモックス錠使用上の注意改訂
  10. TIP誌2006.11月号:FDA報告について
  11. TIP誌2006.11月、12月号:タミフルは初日昼(初回服用後)に異常言動を起こす
  12. 薬のチェックは命のチェックNo25、p68-74、2007 タミフル脳症は薬害だ
  13. 浜六郎、オセルタミビル(タミフル)はインフルエンザ予防に無効、TIP「正しい治療と薬の情報」(2005) 20(2):18-20
  14. ISDB声明2007.2.2「どちらが怖い、インフルエンザとタミフル」「薬のチェック」速報No75:2007.2.5

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