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 塩分を控え、ストレスを減らすなど生活改善し、2週間〜1カ月おいて再度血圧を測る。それでも高かったら降圧剤を使う。使い始めたら独断で中断するのは禁物だ。血圧が下がったら勝手にやめ、また上がると再開するのは体によくない。

 降圧剤で適切な血圧に慣れていた人が急にやめると、血管に圧力がかかり内壁を傷つける。一方、飲み始めはよく体がだるくなることがあるが、これは低めに慣れるまで、血圧不足で組織の働きが鈍るためだ。いずれも体にはストレスで、繰り返すとダメージも大きい。本格的に降圧剤が必要な人は、下げすぎに気をつけつつ、適切な血圧を保つため薬は続ける方がよい。

 降圧剤は長いおつきあいになるから、副作用をよく知って選びたい。代表的なものは5種類で、短期間では副作用が目立つが長期にはかえって安全なものと、逆に、短期での副作用は目立ちにくいが、長期間にじわじわと問題が現れるものがある。

 前者に属するのが利尿剤やベータ遮断剤、ACE阻害剤。後者はカルシウム拮抗(きっこう)剤とアンギオテンシン受容体拮抗剤だ。それぞれの薬の作用は、血圧が上がる原因を考えると理解しやすい。

 高血圧の原因の第一は塩分。体内にたまると血液の量を増やし血圧を上げる。塩分がたまりやすい人は、塩分を尿から排泄(はいせつ)させる利尿剤系降圧剤がよい。

 また、交感神経が興奮すると、血管が細くなり、心臓を強く収縮して血圧を上げる。すぐ心臓がドキドキし、興奮しやすくて高血圧になる人は、交感神経の興奮・心臓の収縮力を抑えるベータ遮断剤や、血管を広げるACE阻害剤がよい。

 これら3種類は、使えない病気もあるし、副作用も少なくないが、長期使用で合併症を減らし寿命を延長することが証明されている。まずこれから使う。

 一方、カルシウム拮抗剤は短期には副作用が少なく使いやすい薬だが、長期の効果は必ずしも証明されていない。

 アンギオテンシン受容体拮抗剤も短期には副作用が少なく使いやすいが、長期的にはACE阻害剤に比べ突然死が心配だ。

 医師はその人に合った薬を処方しているはずだが、副作用もまれではない。変わったことがあれば、すぐ相談しよう。


薬の診察室 (朝日新聞家庭欄に2001年4月より連載)  医薬ビジランスセンター
                                  浜 六郎