第1回医薬ビジランスセミナー報告集
本書の概要
1997年9月に大阪大学で3日間にわたって催した第1回医薬ビジランスセミナーの報告集です。会場との質疑応答も含めたほとんどを収載しました
数年前とは思えない新鮮な内容に富んでいます。それは、JIP/TIPが常に医療/医薬のinovator(革新者)だからです。医療関係者と市民が本音でディスカッションし、各分科会でも、医療に素人の参加者からの素朴な質問に、医師や薬剤師が真摯に答えています。他の学会やシンポジウム、セミナーでは決して出会えない、迫力ある討論や会場とのやりとりが、まるでライブのように読めます。
EBM(Evidence-Based Medicine )の入門書としても充実した1冊となっています。医療従事者だけでなく、医療のことをもっと詳しく知りたいと考えておられる患者/市民の方々にも、読みやすい章、項からじっくり読んでいただきたい。医療を自分の目でとらえることの大切さが見えてくると思います。
内容
- 刊行にあたって
- 開会の挨拶
- 薬害の反省からEBM、ビジランスへ
- 開催基調講演[1]
- 第1回医薬ビジランスセミナーに寄せて
- ゲスト講演 科学的根拠に基づく保健医療とコクラン共同計画
- 1章 ―薬害の検証― 過去の薬害
- サリドマイドとスモン
- スモンとコラルジル
- クロロキンと筋短縮症
- 2章 ―薬害の検証― 最近の薬害
- ソリブジンと薬害エイズ
- 輸血後肝炎と薬害エイズ
- 解熱鎮痛剤と薬害エイズ
- クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と薬害エイズ
- 3章 ―日本の薬剤疫学の課題を考える―(D)
- 薬剤疫学の歴史
- 臨床医師からみた日本の薬剤疫学の課題
- 臨床薬剤師にとっての課題
- 企業内専門職の立場から
- 行政内専門職にとっての課題
- ジャーナリストから見た課題
- 4章 ―医薬品評価の方法 その(1)―(G H)
- 安全性/有効性
- TIP/JIPによる評価実例
- 5章 ―医薬品評価の方法 その(2)―(I)
- 経済性
- 6章 ―医薬品評価の方法 その(3)―(M N O)
- Systematic Reviewと情報検索史
- 医学論文の質の評価方法と実例
- 薬理/毒性試験の問題点とTIP/JIPによる新薬評価基準
- 94〜96年承認新薬の評価
- 世界的に見た日本の臨床試験のレベルとその推移
- 7章 ―最近の課題・医療事故―(K)
- 予防接種(ワクチン)
- 陣痛促進剤(子宮収縮剤)
- アトピーとステロイド剤
- 最近のトピック
- 8章 ―患者への情報提供の今後の課題―(J)
- 基調講演[2] 情報公開の必要性
- 閉会の挨拶
- 参考
- Information
- EBM関連書籍
- 医薬ビジランスセンターJIP設立趣意書
- 編集後記
- 編集:浜六郎/別府宏圀/坂口啓子
- ■479ページ
- ■定価(税別):4,762円
- ■ISBN:4-535-98169-8
- ■発行:日本評論社
- ■製作:GU企画