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(絶版)ステロイド依存 Steroid Addiction 2010−日本皮膚科学会はアトピー性皮膚炎診療ガイドラインを修正せよ

本書のポイント

ステロイド剤の長期使用による害(副作用)としてリバウンドや依存が存在することは、科学的な知見として証明されています。 日本皮膚科学会が作成した「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」にステロイド依存を盛り込むべき−という根拠を 丁寧に解説しています。著者はこの本を資料として添付して、日本皮膚科学会へ修正を求める要望書を提出しました。

書評

アトピー皮膚炎について、患者が「死にたい」と思ってしまうような状態であるにもかかわらず(本誌31号37頁)、 これまで日本皮膚科学会では見向きもされなかったステロイド依存の問題について、真正面から取り上げています。

第1章の「警告」から第5章の「未来」まで、ステロイド外用剤の長期使用による副作用としてリバウンドや依存が存在することは、 海外でもそして日本においても、すでに科学的に確認されていることをさまざまな研究から引用して解説しています。

しかし、それが日本皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」には書かれておらず、ステロイドからの離脱を望む 患者を診る医師に対してはバッシングまであるのが現状のようです。その背景に、患者がもっとも大変な時期を、 正面から向き合おうとせず、ともに過ごすこともない、いわゆる「権威」とされる医師や大学教授の姿が浮かび上がります。 医療とは誰のためにあり、何をするためにあるのかと思わざるを得ません。(み)

ステロイド依存 Steroid Addiction 2010