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No.17 特集 がんの予防 2005年1月 発行

季刊誌第17号

がんの予防と治療
 2004年11月20日(土)〜21日(日)の2日間にわたって開催した「第4回医薬ビジランスセミナー」のテーマは「○×△の壁は崩せるか? 見直そう、予防と治療のEBM」でした。
 いったい今、医療はどうなっていて、今後どうなっていくのだろう。EBMが叫ばれて久しいけれども、健康な人、薬など不要な人に薬が処方され、金を使って逆に体を悪くする。ものすごい壁がわたしたちの前に立ちはだかっています。本誌が問題を指摘してきた薬剤や、治療指針(ガイドライン)そのもの、そして、それらが意識して作り出している医療の仕組みについて考えざるを得ません。
 健康維持にちょうどよいコレステロール値の人が高脂血症という病気にされる。降圧剤を使うと自立度が下がる高血圧症の治療基準。がん死亡が減るわけでもないのに早期発見・早期治療を勧めるがん検診とがん治療。わずか5か月で承認され多数の死亡者を出した肺がん用剤イレッサ、恐怖をあおり普及させようとする効かないインフルエンザワクチン。世界使用量の70%以上のタミフルを使う日本の異常な医療。ちょっとした不安や不眠は安全の証拠なのによく使われる睡眠剤や安定剤、抗うつ剤などなど。
 2005年の『薬のチェックは命のチェック』では、セミナーで扱ったテーマを中心に、それに肉付けしながら、問題点を扱っていく予定です。
 今回は、セミナー初日のテーマ講演「がん検診は予防になるか」(大島明:大阪府立成人病センター調査部)を紹介します。


もくじ

 特集
 ■がん検診は予防になるか
 ■セミナー参加者の声から
 ■第4回ビジランスセミナー事務報告

  特集2
 ■フッ素はあらゆるがん、あらゆる病気を増やす Q&A

  連載
 ■インタビュー
   薬害肝炎 訴訟原告 山口美智子さんに聞く
 ■ぷちいのちジャーナル
    再び、ニセ助産師について
 ■山郷から  ほろし神さん
 ■みんなのやさしい生命倫理 17
    延命医療中止は自殺幇助にあたらない
 ■市民の視点  専門家不在の医療
 ■映画の中のクスリ(10) がんの治療薬
 ■リレーエッセイ  諦めてはだめ
 ■EBM超入門(6)
   世界中のエビデンスをまとめて伝えるコクラン共同計画
 ■行ってきました その1
     第32回日本救急医学会のステロイドに関するパネルディスカッション
 ■行ってきました その2
     国際アルツハイマー病協会国際会議
 ■美味礼賛  うなぎのぼり(大阪府松原市「優季節」)

  提言
 ■NPOJIPの提言
   混合診療:私費医療の拡大で医療も薬剤も無政府状態に

 ■質問箱
   Q1:インフルエンザワクチンをしておくと、SARSに罹ったとき重症化しないって、本当?
   Q2:入退院を繰り返す不定愁訴の患者さんの処方について

 ■読者の声
    ・「コレステロールに対する固定観念が崩れた」
    ・「素人も納得できる内容」
    ・「塩で歯磨きします」
    ・「パキシルを中止しました―薬は怖い」
    ・「リウマチの痛みは、いつも突然・・・」

 ■書評
   ・『医学者は公害事件で何をしてきたのか』
   ・『カルテ改ざん』

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 ■編集後記

特集2より

フッ素はあらゆるがん、あらゆる病気を増やす
浜六郎

 前回16号の特集でフッ素のほんの小さな益とたいへん大きな害についてあらましを述べました。今回は、フッ素の害、とくにがんを増やすことを確実に示している大規模な疫学調査と、動物実験について、やや地味ですが大切な内容を、お話ししたいと思います。
 本題に入る前に、残念なことをご報告しておかなければなりません。実は、16号に巻頭のメッセージを頂いた高橋晄正さんが昨年(2004年)11月3日急逝されました。高橋さんは1975年、フッ素問題に白紙の状態から取り組まれ、その後も一貫して、フッ素の害をはじめ、効かない危ない薬剤の批判をしておられた方です。謹んでご冥福をお祈り申し上げますとともに、本誌の活動が、一層厳しくなっていく薬剤をめぐる状況を少しでも変える力になるように、今後とも心を引き締め取り組んでいきたいと改めて思います。
(以下、引用省略)

詳しくは本誌で。